坪井慶介:『浦ツボ-Tsubo’s Target』第10回−『サイドプレーヤーの傾向と前線ユニットの組み合わせ』

モーベルグはデビュー戦で鮮烈なゴールを決めました/©Takehiko Noguchi

利き足とサイドの関係

新戦力のダヴィド・モーベルグがさっそくジュビロ磐田戦でその実力を見せつけてくれましたね。右MFでのプレーが得意とのことで、その前評判通りのエリアからゴール前へ突進してDFふたりの間を抜く技巧的な左足シュートを決めてくれました。

 リカルド・ロドリゲス監督は昨季、利き足と同サイドに選手を置く采配が目立っていました。例えば右利きの関根貴大ならば右サイド、左利きの大久保智明ならば左サイドといった具合にポジション配置していましたが、左利きのモーベルグは右MFで起用され、そこからデビュー戦ゴールを飾りました。ちなみに今季のロドリゲス監督は関根を左サイド、また左利きの松崎快を右サイドで起用したりもしているので、その采配傾向に若干の変化も感じられていたところではありました。

 利き足と同サイドに選手を置く利点はスムーズなクロスワークが望めることです。その結果、相手ゴール前でのフィニッシュシーンを増やせる効果もあり、サイドアタックを主眼に置くチームはこのような手法を採る傾向があります。一方で、利き足とは逆のサイドに配備された選手はサイドからインサイドへカットインした際に得意の利き足でシュートを狙えるシチュエーションを築けます。モーベルグはまさにそのカットインプレーを得意とする選手で、ロドリゲス監督としてはそれぞれの選手の特徴や組み合わせから様々な選択肢を考慮しているのかもしれません。

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