再び鬼門で轟沈。深刻な完敗【島崎英純】2022Jリーグ第4節/サガン鳥栖戦レビュー

©Takehiko Noguchi

数的不利を解消できず

 前半の浦和レッズは非常に苦しい戦いを強いられた。それはサガン鳥栖がデザインする局面での数的優位性への対応策を有していなかったからだ。

 浦和は定型の4-2-3-1を採用した。GKは西川周作、ディフェンスラインは右から酒井宏樹、岩波拓也、アレクサンダー・ショルツ、そして古巣との初対戦となった大畑歩夢。ダブルボランチは岩尾憲と伊藤敦樹のコンビで、右MFに関根貴大、左MFに明本考浩、トップ下に小泉佳穂が入り、1トップで江坂任が立った。

 一方の鳥栖は3-4-2-1だが、攻撃時に独特な可変を施す。特に厄介なのが左ストッパーのジエゴで、ビルドアップ時にはリベロの田代雅也、右ストッパーの原田亘、そしてGKの朴一圭が後方起点となり、これにダブルボランチの福田晃斗と小泉慶が関わる形になる。そしてジエゴは何処に立つかというと、浦和陣内ハーフレーン、もしくはサイドライン際と、実に攻撃的かつフレキシブルにエリアを闊歩して浦和守備網に的を絞らせないポジションを取っていた。そして左サイドでの攻撃構築ではこのジエゴ、左サイドアタッカーの岩崎悠人、左ボランチの小泉慶、左シャドーの堀米勇輝、そして1トップの宮代大聖の計5人が関わってパスワークする。これに対して浦和は右サイドバックの酒井、右MFの関根、右ボランチの伊藤、そしてトップ下の小泉佳の計4人、もしくは1トップの江坂がフォローして降りる計5人の数的不利、もしくは数的同数で対応しなければならなくなっていた。

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