坪井慶介:『浦ツボ-Tsubo’s Target』第9回−『馬渡和彰のキックをディフェンダー目線で分析』

序盤戦は思わぬ躓きでした/©Takehiko Noguchi

スタートダッシュできなかった理由は…

 浦和レッズはリーグ戦開幕から予想外の結果で、4試合を終えた時点で1分3敗と、なかなか勝ち星を挙げられない状況が続きました。『FUJIFILM SUPERCUP』で川崎フロンターレを下してタイトルを獲得したことで周囲の期待度がかなり上がったこともあって、その後の成績に落胆された方もおられるかもしれません。試合内容は良い中で過密日程、退場者の続出など、幾つかのエクスキューズはあったかもしれませんが、それでも少し残念な成績だったことは確かですよね。

 まず、攻撃面ではかなり多くのチャンスシーンを築きながら、最終局面でのプレー精度を欠いてゴールを挙げられない頻度が多かったと思います。FWという括りにとどまらず、様々な選手が相手ゴール前まで入ってゴールを狙うシーンを作れているのですが、そこで仕事を成し遂げることができなかった。この間、幾つものチャンスを作れているから大丈夫だという気持ちもあったかもしれませんが、それでも得点数が増えずに勝利から遠ざかる状況に、チーム内では少しの焦りが生まれたかもしれません。ただ、それも5戦目のJリーグ第3節・湘南ベルマーレ戦で2得点を上げて初勝利したことで、いくらか払拭されたかもしれませんね。

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