狡猾な相手にストロングポイントを標榜。再び自信を取り戻して前へ【島崎英純】2021Jリーグ第38節/名古屋グランパス戦レビュー

©URAWA REDS
布陣変更もコンセプトは揺らがず
リカルド・ロドリゲス監督は前節の清水エスパルス戦からスターティングメンバーを多数入れ替えた。負傷から復帰したDF明本考浩、MF柴戸海、FWキャスパー・ユンカーの3人がそれぞれ左サイドバック、ボランチ、1トップで先発。また、ボランチの金子大毅がリーグ戦では第18節の湘南ベルマー戦以来20試合ぶりのリーグ戦出場を果たし、小泉佳穂も前節の途中出場から今節はトップ下でスターティングに名を連ねて攻守に関わる任を担った。また、日本代表を含めた多くのゲームに出場し続け、負傷も抱えていた酒井宏樹も右サイドバックでスタートからピッチに立ち、ホームの名古屋グランパスと対峙した。
浦和のスタートポジションのシステムは4-2-3-1だが、対戦相手のスタイルやシステムによって各選手の立ち位置は変幻自在に変化していく。特に相手がサイドバックとサイドMFを配備している場合はレーンアクションが頻繁に発動する。復帰したばかりの明本が果敢に縦へ攻め上がる中で左MFの汰木康也が中央へポジションシフトする連動は今季を通じて訓練されてきたパターンであり、その挙動には迷いが感じられない。また、今回はトップ下に小泉が配備されたことで彼のパスレシーブアクションが効力を発揮した。小泉は左の汰木がインサイドへ入るのを観察したうえで、絶妙なタイミングで後方に降りて自陣でのビルドアップに加わる。トップ下が降りた瞬間にボランチの一角が前にポジションを取る連動も淀みがない。久しぶりに実戦の舞台に立った金子がスッと敵陣奥深くへ歩を進めるのを見ると、日々の練習の中でチーム全体の共通理解とプレーコンセプトが如何に徹底されているかが分かる。
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