【コラム】【島崎英純】清水戦で覚えた違和感。スタイル追求は勝利、タイトル奪取の手段に過ぎない

©Jun Kataoka

拙かった試合内容

 Jリーグ第37節の清水エスパルス戦は敗戦という結果以上に、その拙い試合内容に懸念が募った。ポゼッション率で圧倒する中で相手の堅牢な守備に阻まれてほとんどチャンスを作れず、試合最終盤に相手GKからのシンプルなフィードをきっかけにゴール真正面からシュートを打ち込まれて被弾。集中力の欠如というよりも、ゲームプラン選択ミス、試合状況の未把握、そして相手のアクションなどを考慮せずに『自分たちのやりたいサッカー』を貫いたうえでの必然の結果に、個人的には激しく落胆した。

 リカルド・ロドリゲス監督が志向するサッカースタイルはワンパターンに堕していない。ボールポゼッションを重視するという論調もあるが、個人的には全く同意しない。昨年12月にロドリゲス監督の指揮官就任が発表されて以降、彼が4シーズン率いた徳島ヴォルティスのゲームを数試合観たが、そのプレーバリエーションは多岐に渡っていたし、浦和の指揮を執ってからもその傾向は顕著にうかがえた。

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