日々雑感【島崎英純】―アレクサンダー・ショルツ『パワフルにしてクレバー。最強DF降臨』

©Takehiko Noguchi

抜群の読み

 浦和レッズに加入する以前、アレクサンダー・ショルツは両親の母国でもあるドイツメディアのインタビューに答え、「自身にはスピードが不足している」と吐露していた。実際に浦和のユニホームを着てプレーする彼の挙動を観察すると、確かに速さが突出しているようには見えない。しかし、彼にはその俊敏さを補って余りある状況把握能力の高さと、その予測の正しさがあると感じた。主に自陣左サイドエリアをカバーする彼は、その領域に侵入する相手を前にしても平静さを失わず、ほぼ確実に先んじてボールへコンタクトし、なおかつスムーズな動きでそれを味方へ受け渡すことができる。

(残り 2413文字/全文: 2772文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »