前半の攻勢を活かせず、上位との差が開く痛恨のドロー【島崎英純】2021Jリーグ第32節/ガンバ大阪戦レビュー
ワンサイドの前半
試合開始から15分過ぎまでは浦和レッズのワンサイドゲームが続いた。ガンバ大阪のプレーインテンシティが低く、浦和のスローポゼッションが効力を発揮した。主に左サイドからの崩しから山中亮輔の鋭いクロス、もしくはG大阪のゴールエリア付近を取る江坂任や明本考浩らのフリーランニングなどの多彩な攻撃構築から敵をゴール前に釘付けにした。
山中の左足はキックは強烈で、G大阪守備網は腰が引けていた。ナイフのようなクロスに晒されることでボールサイドへのアプローチが遅れ、その影響でバックラインが著しく後退した。G大阪は試合開始から数分後に菅沼駿哉、佐藤瑶大、倉田秋らが集まって各選手のプレーコンセンサスを行っており、自らの窮状を確かに認識していた。浦和としてはこの時間帯の立て続けの好機で先制点を挙げたかった。しかし、その機会を逃したことで、20分過ぎからはほぼイーブンの状況へと移り変わり、次なる策を用いる必要に迫られた。
前半早々の攻勢下でもリカルド・ロドリゲス監督の表情は冴えなかった。頻繁にコーチと言葉を交わし、顎に手を当てて熟考する仕草すら見せていた。改めて浦和のチームバランスを観察してみると、攻勢に立つ中でもかなりのリスク管理を施していたことが分かる。
(残り 4180文字/全文: 4788文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ