【FUKUDA’S EYE2021】福田正博:『チーム強化が進む中で、後半戦の浦和に求められるもの』

福田001

明確な方向性

 2021シーズンの浦和レッズはチーム全体の方向性が定まりつつある。リカルド・ロドリゲス監督を招聘し、その体制を後押しする補強を積極的に行っている。ここ何年間か問題になっていたチーム内の不活性化が解消され、良い意味でチーム内が整理されている。シーズン前半戦の戦いを踏まえて、外部に対して後半戦への気構えも分かりやすく示せている。この点は現場はもちろんのこと、フロントサイドのアクションについても高く評価すべきだと思う。

 デンマーク人DFのアレクサンダー・ショルツは無事に日本へ入国して『Jリーグバブル』で隔離処置が施されているとのことで一安心だ。またDF酒井宏樹は現在、東京五輪のU-24日本代表でプレーして、改めてその実力を証明している。今のサッカー界は右利きの左サイドアタッカーに優秀な選手が多い。例えば川崎フロンターレの三笘薫や名古屋グランパスの相馬勇紀、横浜F・マリノスの前田大然などはその代表的な選手だ。世界のサッカー界を見渡しても同ポジションには人材が揃っている。そのタレントたちに対面する形で強固な守備能力を発揮できる選手がいる点はチームに大きな影響力をもたらす。

 先日、長友佑都と会って話す機会があった。長友は昨季限りでフランス・リーグ・アンのオリンピック・マルセイユを退団したが、彼曰く、フランスのリーグは個の能力が突出していると言っていた。選手個々の身体能力が非常に高いと。イタリアのセリエAとも全く印象が異なるらしく、まずは個人勝負で対抗できないと活躍できる余地がないとのことだった。フランスのリーグにはアフリカ系の選手が多く、かつ南米のスターたちも数多くプレーしている。酒井はそのリーグで5年間に渡ってプレーしてネイマール(パリ・サンジェルマン)らの猛者と戦ってきたのだから、彼の対人能力が抜きん出ているのは明らかだ。

(残り 1648文字/全文: 2422文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »