前半戦を終えて。『リカルド・スタイル』考察【現状の課題について】

3大会でタイトル獲得の可能性を残す浦和だが、当然課題もある/©Takehiko Noguchi

3バックチームに苦戦する要因

 2021シーズンの前半戦を終えて、今季から浦和レッズの指揮官に就任したリカルド・ロドリゲス監督のチームスタイルを改めて考察する。今回は現状の課題について。

 リカルド・ロドリゲス監督体制で臨んでいる今季、東京五輪開催によるリーグ中断で前半戦を終えた時点での浦和レッズの成績は、Jリーグで10勝5分7敗の勝ち点35で6位、YBCルヴァンカップではプライムステージ(準々決勝)へ進出、そして天皇杯では4回戦に進出している。

 リーグは来季AFCチャンピオンズリーグ(以下、ACL)出場権獲得圏内の3位・ヴィッセル神戸と勝ち点3差で、クラブ目標に十分届く位置にいる。また、ルヴァンカップでは準々決勝でリーグチャンピオンの川崎フロンターレとホーム&アウェー戦を戦うことになった。リーグで首位を独走し、今季のACLでもグループステージを無敗で突破した川崎は文字通り現在の日本の頂点に君臨するチームで、その相手とカップ戦で勝負できる意義は非常に大きい。また天皇杯4回戦では柏レイソルを破って勝ち上がったJ2の京都サンガが対戦相手に決まった。こちらは『たけびしスタジアム京都』でのゲームで実質的なアウェー戦だが、浦和は国内3大会全てでタイトルの可能性を残しており、しっかりを実利を得ている。

 そんな中、リーグ戦で全てのチームと対戦した今、他チームは今季の浦和のチームスタイルを把握し、その研究を進めている。したがって浦和自身も今以上のスケールアップを果たさねば成績が伸び悩む懸念はもちろんあるわけで、まずはこれまでのゲームで見られた課題の改善を図らねばならないだろう。

 今の浦和が3バックチームに苦戦する傾向があることは前回のコラムでも記した。ただし“3バックチーム”という表現は適切ではなく、これには様々な要素が孕んでいる。

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