これが偽りのない本当の姿。浦和は再建のゼロ地点にも立っていない【島崎英純】2020Jリーグ第34節/北海道コンサドーレ札幌戦レビュー

代名詞、4-4-2を諦める

 今季、ホームでの最終戦。浦和レッズの大槻毅監督は北海道コンサドーレ札幌の3-4-2-1に対して、3-5-2を形成する策に出た。大槻監督は試合後に、この陣容は負傷者の状況や既存選手とポジションの相性から加味されたものと説明したが、それでも札幌に対してマッチアップ状況を築く意図があったのは明白だ。そのスターティングメンバーは、GKは不動の西川周作。そして3バックはリベロに鈴木大輔、両ストッパーに橋岡大樹と岩波拓也というセット。両サイドには右に岩武克弥、左に山中亮輔を配備し、中盤は3人のラインで右からエヴェルトン、柴戸海、汰木康也というユニット。そして2トップは興梠慎三と杉本健勇のペアだった。

 浦和は今季中盤以降を過ぎてから相手とのミスマッチ状況に苦しんだ。大槻監督体制が目論んだプレスワークが嵌まらないのだ。アプローチ精度が落ち、守備ブロックの隙間を突かれることで主導権を奪えず、ゲームコントロールに難を抱え、自陣スペースを埋める名目で守備ブロックを維持する以外に方策を失った。

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