ストロングポイントを消された浦和。味スタで2004年以来の敗戦【島崎英純】2020Jリーグ第5節・FC東京戦レビュー

十全だったFC東京の浦和対策

 第4節の鹿島アントラーズ戦から約1週間のインターバルを経て迎えた第5節のFC東京戦。浦和レッズの大槻毅監督はこれまで通りに4-4-2システムを継続する中で、今回は負傷で欠場したDFトーマス・デンに代えてセンターバックにマウリシオ・アントニオを起用し、他に鹿島戦からMFエヴェルトンに代えてMF青木拓矢、FWレオナルドに代えてFW杉本健勇と、3人の選手を入れ替えて臨んだ。

 一方、FC東京の長谷川健太監督は戦前の予想通りに4-3-3システムを採用。特徴的なのは中盤をアンカー+2シャドーの逆三角形にし、前線に強力な攻撃陣を置きつつ、4バックの特徴でもあるサイドバックのオーバーラップを生かした形で浦和攻略を図った。

 浦和のバックラインはデンからマウリシオに代わってもプレースキームに変化は無し。マウリシオもデンと同様に局面強度が高く、フィード能力も優れている。ただ、唯一の違いはスピード対応で、バックラインのラインコントロールについては注視する必要があった。

 結論から記すと、試合展開は浦和の思うような形にはならなかった。それは90分間のボールポゼッション率からも示されている。FC東京の46パーセントに対して浦和は54パーセントと、リーグが再開されて以降では第3節のベガルタ仙台戦に続いて浦和が相手を上回った。

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