【無料記事】浦研的日日是好日-『スポーツ界にも一筋の光』2020.05.25

原稿とは関係ないですが(笑)、最近近所で見かけた飼い猫です

少しずつ、動き出している

 ドイツ・ブンデスリーガは5月16日のリーグ再開から約10日が経ち、1部、2部ともに2節分を消化しました。これまでのところは特に混乱もなく、選手ふたりから陽性反応が出た2部のディナモ・ドレスデン絡みのゲーム以外は試合が開催されています。

 再開節でドレスデンと対戦予定だったハノーファー96は先週の土曜日に第27節を戦い、オスナブリュックに4-2と勝利しました。ハノーファーは前半から後半途中に掛けてまでは常にリードを奪われる厳しい展開でしたが、75分に4-4-2の左MFで先発した原口元気が相手ペナルティエリア内で倒されてファウルを得て、これをマーヴィン・ドゥクシュが決めて同点に追いつき、その後逆転の3点目をマークした後の85分に原口がダメ押しの4点目を突き刺して試合を決めました。

 原口は自身のストロングポジションである左MFで躍動し、特にゴールに関しては試合終了間際にも関わらず爆発的なドリブル突進から渾身の右足シュートを炸裂させる見事なプレーを見せました。先述の通り、ハノーファーは対戦相手のドレスデン側から陽性反応者が出たことで他チームよりも再開ゲームが1週間伸びてしまったのですが、その分、コンディションをしっかりと整えて準備を重ねていたことが後半の猛攻に繋がったのではないかと思います。そして原口も、これまでの行動制限、外出自粛、そして今回の新型コロナウイルス流行による様々な困難と直面する中で、しっかりと自身のプレーを向上させることに専念してきたことを証明してみせました。彼は若い頃から一切変わらず、いつでもピッチで戦う準備のできるプロフェッショナルなのだと、僕自身も今さらながらに再認識した次第です。

 さて、そして5月25日の本日、日本のプロ野球NPBがオンラインでの臨時12球団代表者会議を開き、セ、パ両リーグ公式戦の開幕日が6月19日に決定したと発表しました。当面は無観客での試合開催になるとのことですが、これで日本政府が緊急事態宣言を発令して以降、日本のプロスポーツで最も早く公式戦の開催が決まったことになります。

 これにより、NPBと常時連携を取ってきたJリーグも再開への道筋を探ることになるでしょう。この後に行われた安倍晋三首相の会見では新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言について、北海道と首都圏の東京、埼玉、千葉、神奈川の計5都道県での解除を表明され、これで全都道府県への緊急事態宣言が解除となりました。今後、JリーグはNPBと同じく無観客での試合開催、その後は都道府県と連携を取りながら段階的な制限措置の緩和を進めていくものと思われますが、そのガイドラインに、Jリーグに先駆けてリーグを再開させたドイツ・ブンデスリーガの運営指針も考慮されることになるでしょう。

 いずれにしても、まだまだ油断は禁物であることを肝に銘じながら、それでもスポーツの再始動に一筋に光が見えてきたことを前向きに捉えたいと思っています。

(了)

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