【戦術コラム】ミシャ→堀。新体制の変化を検証
新体制は2戦を消化
浦和レッズは2017年7月30日にミハイロ・ペトロヴィッチ監督との契約を解除し、トップチームコーチだった堀孝史氏を指揮官へ昇格させる形で新体制を発足させた。堀監督就任後の浦和はJリーグ2試合を戦って1勝1分。第20節の大宮アルディージャ戦は先制しながらも追いつかれる展開で、後半アディショナルタイムに同点にされる痛恨の形でドロー。続く第21節・ヴァンフォーレ甲府戦は柏木陽介のゴールを死守してリーグ戦14試合ぶりの無失点ゲームで勝利した。
堀監督は体制発足以降は試合の2日前から非公開練習を行っている。表向きは「選手に落ち着いた環境を与えるため」と述べているが、もちろん戦術面での新たな取り組みも行っている。その練習内容をうかがい知ることはできないが、ここでは直近の2試合のゲーム内容を精査して、ミシャ体制から堀体制に代わってからの変化を項目別に分けながら検証してみたい。
①選手起用
3-4-2-1の基本システムはペトロヴィッチ監督体制時と同じ。ただし、バックラインは槙野智章が第19節のコンサドーレ札幌戦で退場処分を受けたため、第20節・大宮戦は槙野が欠場し、代わりに左ストッパーを務めたのは宇賀神友弥だった。また、左サイドアタッカーには前体制時のリーグ戦で2試合しか出場しなかった菊池大介を抜擢した。ただし、GK西川周作、DF遠藤航、森脇良太、MF阿部勇樹、柏木陽介、関根貴大の面々は不動。また前線トライアングルも1トップ・興梠慎三は固定され、シャドーの武藤雄樹も2試合連続フル出場している。ただ、もうひとりのシャドーは大宮戦でズラタン、甲府戦ではラファエル・シルバが先発した。
バックラインに関してはバックアッパーの人材が乏しいことからクラブがアクションを起こしてブラジル人DFのマウリシオ・アントニオを獲得。ただ、マウリシオはヨーロッパ・ポルトガルから来日したばかりで、直近2試合はベンチ入りしなかった。今後、マウリシオがチームにフィットすれば3バックのどこかに配備されるだろうが、ここで注目したいのは遠藤の起用法だ。現状は陣容の都合でリベロを任されているが、彼が最も力を発揮しやすいポジションは右ストッパーである。また、遠藤が日本代表でもプレーするボランチにコンバートされればチーム戦術に変化を加えられるだけに、堀監督が彼の素養をどう評価しているかが気になる。
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