今のメンバーで、この個性で戦うことの意味を、今一度再認識して欲しい。【福田正博】FUKUDA’EYEー2017Jリーグ第15節・ジュビロ磐田戦レビュー

ショックを受けた浦和

 ジュビロ磐田が勇気を持って戦ってきたので、浦和レッズは思うようにボールを回せなかった。磐田の名波浩監督は約2週間のインターバルを利用して浦和戦に向け、良い準備をしてきたのだろう。浦和は良い形でビルドアップできず、スムーズな攻撃を仕掛けられなかった。もちろん浦和の選手の動き出しや工夫が足りなかった面もあるが、磐田がバックラインを高く設定してチーム全体のコンパクトネスを維持し、前線から積極的にプレスを掛けたことが浦和のプレーパフォーマンスの質を下げたのは間違いない。

 前半の劣勢を経て、GKの西川周作が相手FKに対して前に出たところを川又堅碁にヘディングされ、こぼれ球を大井健太郎に決められた。この1失点目は西川の判断ミスが要因だろう。ただ、浦和にとってはおそらく2失点の方がダメージを受けた。阿部勇樹の2ゴールで逆転したにも関わらず、ボールの奪われ方、GKの判断にミスが生じて相手に同点を許した。幾つものミスが重なったことでショックを受けた浦和は動揺し、逆に磐田は息を吹き返した。

 GKの西川はこれまで数々のビッグセーブでチームの窮地を救ってきた。しかし今季は勝負所で相手のシュートを防げずに失点するケースが多い。ミスだけをクローズアップしがちだが、今季の西川が相手のシュートを確実に止める頻度に関しても検証が必要だ。松浦拓弥の3点目と4点目も、これまでの西川ならばセーブしていたかもしれない。ポジショニング、反応速度、手の出し方など、これまでに比べて西川のセーブ力が落ちているような気がしてならない。また、西川のゴールキーピングが不安定なことでフィールドプレーヤーの判断にも迷いが生じているように思える。これまでは安心して任せていた最後尾が落ち着きを無くしている状況はチームにとって好ましくない。

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