【戦術コラム】神戸戦から見る、ペトロヴィッチ監督から選手への要求とは?[浦和の基本メソッドを解析]

ペトロヴィッチ監督の不満

Jリーグ第5節・ヴィッセル神戸戦は浦和レッズが31で勝利した。浦和は5節終了時点でリーグ首位に立っていた神戸を破ったことで4位に浮上。神戸と同勝ち点ながら得失点差で2位に浮上した鹿島アントラーズ、勝ち点11で3位に付けるガンバ大阪と共に、早くも浦和が地力を見せ始めている。

ただ、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は神戸戦のゲーム内容、特にスコアレスで推移した前半のプレーに不満足の意を示した。神戸戦後の記者会見で、指揮官はこう述べている。

「今日の前半は、今シーズンの公式戦の中で一番出来の悪いものだったと思います。運が良かったのは、神戸も決して出来が良かったわけではない中で試合が進んだことです。前半は選手一人ひとりが勝手なことを始めてしまったように見えましたし、チームとして狙いとしているボールの動かし方や、ボールがないところでの動き出しやポジショニングといったものが、いつもやっている形ではなかったと思います。私はハーフタイムに、選手に対して大きな声で叱責しました」

前半の慎重な戦いぶりは選手側にも考えがあり、その意図については試合レビュー(前半慎重、後半爆発の浦和、『太陽』の活躍で鬼門を突破【島崎英純】2017Jリーグ第5節・ヴィッセル神戸戦レビュー)にも記した。ピッチに立つ選手は試合状況、相手とのパワーバランスを肌身に感じた上で判断を下しており、結果的に後半からの攻勢が勝利に結びついた感もある。ただ、ペトロヴィッチ監督はあくまでも内容を伴った勝利を求める。では、浦和の指揮官が本来求めるチームスタイルとは何なのか。今回は、浦和の基本戦術、戦略メソッドを解析したいと思う。

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