数的不利、灼熱の博多で、那須のゴールが火を噴く【島崎英純】2016Jリーグ2stステージ第1節・アビスパ福岡戦レビュー

■5連戦の代償

浦和レッズの選手たちの動きは鈍かった。最高気温33.8度、湿度80%以上という福岡県博多地方の天候も影響していたのだろうか。李忠成の1トップ(本人が、そう証言している)、興梠慎三と武藤雄樹のダブルシャドーで形成された前線トライアングルは好調時のコンビネーションを繰り出せず、後方から入る縦パスはインターセプトされ、サイドでの1対1も打開できずと、浦和は得点への足掛かりをなかなか築けないでいた。

試合後に聞くと、興梠は腹痛でコンディションを崩していたらしく、身体の重さは体調不良が影響していたことが分かった。1stステージ終盤に課せられた中2日、もしくは中3日の5連戦を終えたチームはようやく1週間のインターバルを得て、チームは2日間の完全オフを設けたものの、いまだ選手たちのコンディションは低下したままだ。それでも今季は絶え間なく試合が続き、リオ・オリンピック開催中はU-23日本代表に選出された興梠(オーバーエージ枠)と遠藤航がリーグ戦を最低4試合、最大で5試合欠場する。こうなると、チームコンディションを落とした中で如何に勝ち星を積み重ねるか、チーム全体の総合力と緻密なプランニングが必要になる。今節のアビスパ福岡戦は、その試金石として格好のケースになったわけだが、浦和は前半半ばに早くも最大の窮地を迎えてしまう。

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