【無料記事】ハードでタフなミニゲームを実施【2016浦和レッズ・大原レポート】

激しいバトルを展開

浦和レッズはJリーグ1stステージ第7節のベガルタ仙台戦に向けて、大原グラウンドで練習を行った。

この日の練習は午前11時から開始される予定だったが、ミーティングが長引いたのか、11時10分過ぎに選手たちがピッチに姿を現し、恒例の鳥かご、パスワークなどに取り組んだ。天候はあいにくの小雨だったが、グラウンド内は20度前後まで上がった気温の影響もあって蒸し返すような湿気が感じられた。

本日の練習は全選手が参加したが、ミニゲームでは関根貴大、遠藤航、伊藤涼太郎が別メニューで、インターバルを挟んで森脇良太と宇賀神友弥がミニゲームから外れ、入れ替わりで関根と遠藤が加わった。

週末の仙台戦まであと2日。チームは今週の火曜日にオフを設け、水曜日はオフ明けで軽い調整に留めた。また明日は試合前日のため負荷の掛かる練習はできない。こうなると木曜日の今日は、今週中で唯一ハードな練習を組めるタイミングでもある。選手たちはその流れをしっかり把握していて、ミニゲームが開始されると各チーム内で積極的かつ強い口調でのコーチングが飛び交い、一気に熱を帯びた。森脇が判断を誤るプレーをすると槙野智章が何度も「モリ、モリ、そこ注意しないと」と叱責。また柏木陽介がプレスバックする李忠成に対して「リーくん、そこ下がらないで前で辛抱しよう。リーくんが下がるとチーム全体が引いちゃうから」とアドバイスを送るシーンもあった。

ミニゲームのチーム分け詳細を記すのは控えるが、主力組と目されるチームが定形の3−4−2−1、控え組と目されるチームが4−4−2でプレーしたのは、当然週末の対戦相手である仙台を見据えてのことだ。相手が2トップを組んだ時の前線プレッシングに浦和のビルドアップが苦戦するシーンは度々ある。そこで練習ではプレス&チェイスする控え組2トップに対して、主力組のリベロ、ストッパー、ボランチらがしっかりパスワークする場面が見られた。そこからは、多少苦しい局面でもチャレンジする姿勢が感じられ、選手たちの向上心の高さがうかがえた。

また4バック、スライドディフェンスを採用すると目される相手を想定して、頻繁なサイドチェンジパスも行き交った。片方の局面でボールキープしていると、すぐさま周囲の選手が「逆を見ろ!」と声を飛ばしていた。これも対戦相手のスカウティングを施したうえでのプレー選択で、チーム内では入念な対策が練られているようだ。

ミニゲームでは2タッチ限定、リターンパス禁止などの制限が徐々に課せられるため、プレーレベルの向上が求められる。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督の指示で杉浦大輔コーチから「ラストゴール!」という声が飛ぶと熾烈なバトルが繰り広げられ、お互い譲らないハードな展開が続いた。結局コールが発せられてから約12分が経過したところで石原直樹がゴールを叩き込み、ようやく練習が終了した。

チームは明日、14時から練習を実施し、16日の仙台戦へ向けて最終調整を行う。

 

 

Text by 島崎英純

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