【無料記事】駒井善成が不慣れなもの【2016浦和レッズ・大原レポート】

「うわっ! 全然上がらん!」

懸垂のメニューでそんな悲鳴を上げたのは駒井善成だ。オフ明けに迎えるトレーニング再開初日は毎回フィジカルトレーニングが中心となるが、この日もまずは上半身に徹底的に負荷をかける筋トレメニューが組まれていた。

懸垂は腕立て伏せや、ゴールポストに引っ掛けたロープの機材で自分の体重を利用して負荷をかける項目を終えた後に取り取り組んだもの。すでに腕や肩の筋肉にかなりの疲労がたまっている状況なので、多くの選手が苦痛の表情を浮かべながら必死に力を振り絞っていた。

懸垂は「けっこう得意なんです」と言う駒井も2回でギブアップ。「今日は久々にやったし、全然上がらなかったです。他でいっぱいいっぱいになってました」と笑ったが、それでも懸垂は得意なのにと悔しそうだった。

また、この日の最後のメニューとなった一対一の練習で、駒井は那須大亮と対峙したが、内容は完敗。30秒のデュエルを2回行ったが、ミニゴールスコア合計0ー3で先輩の貫禄勝ちだった。

得意のドリブル突破を見せられなかったことについては「ああいう狭いスペースの中でも抜けるようにしていかないといけないし、那須さんがすごく一対一に強いのでいい練習になりました」と語りつつ「週初めはいつもあんなもんです。まだ足がついていかない」とあまり気にしていなかった。

チームには早くも溶け込んでいる駒井だが、まだまだ不慣れなものもある。シーズン前に浦和の道にまだ慣れていないと語っていたが、約2ヶ月経った今でも「ほとんど練習場と家の往復だけなのでまだわかりません」と苦笑い。切れ味鋭いドリブルで数々の敵を蹂躙してきたアタッカーも、浦和の町はまだ攻略できていないようだ。

Text by 神谷正明

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