無料記事:AFCチャンピオンズリーグ・グループステージ第1節・シドニーFC戦前日公式記者会見コメント/浦和・ペトロヴィッチ監督、阿部勇樹選手、シドニーFC・グラハム・アーノルド監督、シェーン・スメルツ選手

■ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(浦和)
———まずは明日の試合に向けての意気込みをお願いいたします。
「この4年間で3度目のACL出場になるが、昨年のACLに関してはグループステージ敗退という良い結果で終われなかったからこそ、今大会に懸けるモチベーションが非常に高い。われわれは今大会で昨年の大会よりも良いゲームをして良い結果を残していきたいと思っている。ただわれわれのグループの4チームは非常に強いチームがそろっているし、力が非常に拮抗していると思っている。簡単なグループステージではないと思っているが、力を思う存分発揮し、グループステージを突破していければと思っている。そのまず第一歩となる戦いが明日のシドニーFCとの戦いになる。シドニーは質の高い選手がそろっていて、質の高いチームであると思っているし、その上、シドニーはすでにシーズンを戦っている。すでに公式戦を戦うリズムを持ったチームでもある。一方でわれわれはシーズン最初の試合であること。われわれにとってはそういった難しさもあるが、良い戦いを見せたいと思っている。シドニーはシーズン中であるため、戦い方は定まっていると思うが、約2カ月間、キャンプを通じて新シーズンに向けての準備を進めてきた。練習試合は練習試合で公式戦はフタを開けてみないと分からない。そういう意味ではシドニーのほうがアドバンテージはあるように感じられるが、われわれにとっては、こういった言い訳は必要ない。ここまで準備してきたことを明日のゲームですべてぶつけていきたい」

——昨日(22日)のトレーニングでは柏木陽介選手を温存したような形を試していたが、明日(24日)の起用についてはどのようなお考えでしょうか?
「私は決して、柏木を温存したわけではない。どちらのチームがレギュラー組で、どちらが控えなのかとか、どういう感じで見られているのかは分からないが、どちらがベターということもないと思う。今日もわれわれは短い時間、紅白戦をやるかもしれないが、もしかしたら、昨日とはメンバーが代わるかもしれない。レッズにいる23人のフィールドプレーヤーはすべて、力が拮抗している選手たちだ。そして彼らは、試合に出場したいという強いモチベーションを持って、明日の試合に臨むだろう」

——最初からリーグ戦とACLの並行スケジュールで連戦になるが、メンバーは固定していくか、代えながら戦っていくのでしょうか?
「サッカーというのは、なかなか計算の立たないスポーツだ。もし、明日のゲームで何人かけが人が出てしまえば、私のプランも変えなくてはいけないだろう。もちろん、連戦を同じメンバーでずっと戦うことは不可能。だからこそ、われわれには23人のフィールドプレーヤーがいる。必要なことは、目の前の相手に全力を尽くすこと。次の試合に関しては、木曜日以降に考えていく。サッカーというのはなかなか、長いスパンでプランできないスポーツ。1カ月先に何が起こっているか分からない。チームによっては、例えばひとつの敗戦で監督がクビになることもあるでしょう。そういう意味で言えば、われわれの仕事は、一日一日の勝負であり、それを常に全力で戦い、勝利するための努力していかなければいけない。いま、後ろにわれわれの社長がいらっしゃいますが、もしかしたら次の試合に負けて私が解任されているかもしれない(苦笑)。そうなれば、土曜日のリーグ戦(柏レイソル戦)に向けてプランをしても意味がないものになってしまう。まずは最初の相手であるシドニーFCに対し、集中力を持って、そこに向かって準備をしていく。そして戦わなくてはいけない。その次の戦いは木曜日以降に考えていくべきことだと思う。それがサッカーだと思う」

——過去の経験を踏まえ、グループステージ突破に向けて、何がポイントになってくるでしょうか?
「ACLのグループステージは、6試合で突破できるかどうかが決まる。6試合すべてが大切なゲームだが、私は特に最初の試合が非常に重要だと思っている。そのゲームで勝利することが、その後のグループステージの戦いを占っていく上で、大事だと思っている」

——前回、前々回はグループステージで敗退したが、何が足りなかったと考えているのでしょうか?
「前々回(2013年)の大会に関しては、われわれは10ポイントを取ったが、それでは足りず、グループステージで敗退してしまった。あの大会に関しては、ゲームの内容、結果ともに、比較的に良い部分が出せたと思う。その意味では、グループステージを突破できていてもおかしくないだけの内容と結果が得られた大会だった。昨季のACLに関して、われわれは初戦、アウェイの水原三星(韓国)戦で逆転負けしてしまった。自分たちのミス絡みによる失点があったし、初戦に負けたことで、その後の戦いで、何か歯車がかみ合わないことが続いたのが、昨季の大会だったと思う。ああいった強い相手、拮抗した相手との戦いでは、ちょっとしたことが結果につながるもので、ゲームの中での集中力や規律が、最終的な結果に結びつくことが多いと思う。相手に崩されてやられた失点より、自ら与えてしまった失点が多かったし、そういうちょっとしたところの集中力や規律の部分は、今年のキャンプで突き詰めてやってきた。そういったものを持って、この大会に臨んでいる。先ほども言ったように、自ら犯してしまったミスで失点することは、できるだけ少なくしないといけない。もちろん、そういうことが起こるのもサッカーだが、それをできるだけ少なくするためには、集中力や規律、そういった部分をしっかり持ってやっていかないといけない。そこが改善できれば、昨季よりも良い結果が得られると思う」

——昨年のACLで、日本勢ではG大阪がベスト4まで進んだ。レッズもそこまで行ける力があると思うが、ベスト4、あるいは優勝という目標は持っているのでしょうか?
「まず、ここ最近の2大会で、われわれはグループステージで敗退している。それがわれわれの置かれている現実だ。その現実を見据えた上で、現実的に掲げた具体的な目標がグループステージ突破。もちろん、われわれはアジアの戦いにおいて、さらに上を目指す気持ちは持っているし、その夢を現実にしていきたいという強い思いはある。そのためには、まずはグループステージを突破しなければいけない。われわれがグループステージを戦う4チームの内、3チームはアジアチャンピオンになったことがあるチーム。各国を代表するチームであり、簡単に勝たせてくれるような相手ではないはず。だからこそ、まずはグループステージを突破することが目標だ。そして、われわれは日本を代表するクラブとして、アジアでさらに上を目指すということについては、強い思いを持っている。浦和レッズは、常にスタジアムに4万人、5万人が集まる、多くのサポーターを抱えているクラブ。われわれは常に高い目標を持って、そういった多くの方々の期待に応えたいという強い思いを持って取り組んでいる。それは浦和レッズとして、当然のことだ」

 

■MF 22 阿部 勇樹(浦和)
——まずは明日の試合に向けての意気込みをお願いいたします。
「こんにちは。いよいよリーグ戦よりも先にACLが始まるなとキャンプが終わってから気持ちが高まっている中で、明日の試合は非常に重要な一戦いになると思うので、最高の結果を残せるように全力で戦いたい。それだけです」

——過去の経験を踏まえ、グループステージ突破に向けて、何がポイントになってくるでしょうか?
「まず、グループステージを突破する上で、明日の初戦が大事だと思っている。そこでしっかり勝つことで、その後につながっていくと思う。初戦の重要性が大きいし、グループステージにいるチームは各国の本当に良いチームばかり。その中で球際や、キャンプでレッズが取り組んできたことをゲームで出せるかどうかが、関係してくると思う。トレーニングでやってきたことをゲームで出す、それは簡単なようで難しいと思うので、そこをチームとして出して行ければいいと思う。先を見ても仕方ないので、一戦一戦、全力で頑張りたい」

——昨年のACLで、日本勢ではG大阪がベスト4まで進んだ。レッズもそこまで行ける力があると思うが、ベスト4、あるいは優勝という目標は持っているのでしょうか?
「話せることは特にない。ミシャ監督がすべて話してくれました(笑)。そのように戦っていきたい」

 

■グラハム アーノルド監督(シドニーFC)
——まずは明日の試合に向けての意気込みをお願いいたします。
「明日の試合を楽しみにしているし、浦和レッズという日本のビッグクラブと、素晴らしいサポーターのいるチームと対戦できることを楽しみにしている」

——仙台監督時代はこの浦和戦が日本で最後の試合になったと思いますが、ACL開幕戦に懸ける意気込みはいかがでしょうか?
「まずは思い出させてくれてありがとう(笑)。思い返してみると、判断を誤ってしまったのかもしれない。でもこのシドニーFCが2011シーズン以来、ACLに出場できることを楽しみにしている。武藤(雄樹)については、日本の中で質の高い選手の一人であって、その才能を私が見抜いたような気がしている。彼がこの試合で活躍することを心から期待している」

——明日、シドニーが見せたいサッカーはどのようなものですか? そのサッカーをする上で浦和レッズで警戒すべき選手は誰でしょうか?
「レッズは新しい選手を獲得しているので警戒しているし、豪州で浦和のビデオを見るという宿題はしてきた。武藤や興梠(慎三)、ズラタンなどストライカーがたくさんいることは知っている。とにかく明日、浦和がベストな状態ではないことを祈っている。われわれはすでに20試合の公式戦を戦ってきているし、コンディション面での準備はできている」

——外国籍枠の関係かもしれませんが、21番の主力選手などが遠征に帯同していないようです。21番のホロシュコ選手はチーム得点王と聞いています。選手選考について、経緯を教えてください。
「彼については日本から戻って土曜日(27日)に公式戦を戦わなくてはならないため、今回は遠征に帯同させていない」

——明日の試合で勝敗を分けるポイントは? また、連戦の最中ですが、勝ち点1でも良いのか、初戦なので勝ち点3を取りに行くのか、どういう考えでしょうか?
「勝敗を分けるのはコンディション面ではないか。トップフォームで来るだろうが、われわれもトップフォームで戦っていきたいと思う。もちろん勝ち点3を取って豪州に帰ることしか考えていない」

 

■FW 9 シェーン スメルツ(シドニーFC)
——まずは明日の試合に向けての意気込みをお願いいたします。
「われわれも選手全員が非常に楽しみにしているし、一生懸命トレーニングをしてきて、明日試合を迎えられることがうれしい」

——スメルツ選手にとって、このACLという舞台はどんな舞台なのでしょうか?
「私にとって、とても大切な大会で、それはほかの選手も同じ。われわれはここまでグループとして戦ってきたし、豪州のトップクラブのチームとしてこの大会で結果を出していきたいと思っている」

——明日の試合で勝敗を分けるポイントは? また、連戦の最中ですが、勝ち点1でも良いのか、初戦なので勝ち点3を取りに行くのか、どういう考えでしょうか?
「ゲームプランはあるが、コンディションで優位に立ったほうが勝つと思うし、フィットネスの部分は自信を持っているチームだと自負しているので、それをぜひ見せたいと思う。もちろん勝ち点3を狙って戦うし、メンタル面も強く戦わなくては勝つことができないと思っている」

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