年末のご挨拶
2024年も【仙蹴塵記】をご愛読いただき、誠にありがとうございました。今年もベガルタ仙台が関わる全公式戦を取材することができました。様々なかたちで関わってくださった方々に御礼を申し上げます。
森山佳郎監督を招いて立て直しをはかった2024シーズンのベガルタ仙台は、実に楽しいチームでした。勿論、どの年のどの選手・スタッフが所属しているチームにも楽しさや日々の発見はあるのですが、今年の明るく激しいトレーニングを積み重ねるチームは、日々の成長が目に見えて本当に楽しかった。少なからず困難に見舞われても、這い上がり、その度に成長しました。目標のひとつとするJ1昇格は最後の最後まで近づいたものの、達成はできず。その点は悔やまれますが、この経験もまた、次のシーズンで飛躍的に成長するための栄養としてくれるものと期待を抱かせてくれるチームです。
このような2024ベガルタ仙台を取材する過程では、“育成”という言葉について何度となく考えさせられました。森山佳郎監督が育成年代で長くキャリアを積んできたことや、若い選手が増えたことから、今季の仙台は各種記事で育成面がクローズアップされることも多かった。私も育成に関する記事を執筆したこともあります。でもそれは、勝負を度外視することでは決してない。結果は試合が終わらなければ分かりませんが、勝つために努力する過程で人は育つのだし、勝てればさらに大きく育つということです。
今シーズンをもって現役を引退した遠藤康選手は、常に向上心を胸に練習に取り組みました。けがからの回復が思わしくない中でも、全力で、能動的に、練習に取り組む。その理由を何度となく「いつだって、うまくなりたいからだよ」と話してくれました。年齢にも経験にも関係なく、意欲と努力があることで人は育ちます。それを取材している自分自身も、果たして育っているのかどうか、自問自答し、今に至ります。
現場で起きていることを伝える身としては、取材内容が充実している一方で、J2から抜け出せないことで労働環境はとても厳しいままであることにもどかしさは残ります。しかしこれもまたこの先で成長するための糧にしなければなりません。2025年をさらに充実したものとできるように期待しつつ、暮れゆく年に思いを馳せているところです。
2024年もありがとうございました。
板垣晴朗
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