仙蹴塵記

J1昇格プレーオフ決勝 岡山戦・第一報 相手の堅守を破れず0-2で敗戦。J1昇格ならず

ベガルタ仙台はJ1昇格プレーオフ決勝・岡山戦に向け、全選手・スタッフで岡山県入り。シティライトスタジアムで迎えた試合当日、先発メンバーは準決勝・長崎戦と同じ11人が選ばれた。ゲームキャプテンは郷家友太。仙台サポーターは準決勝に続いて手作りの旗を数多く振るなどして、選手を鼓舞し続けた。

仙台は立ち上がりに右サイドからペナルティーエリア内にパスを差し込むが、このチャンスはシュートに到らず。だが序盤は相手に主導権を渡さず、中盤での競り合いからボールを取ってチャンスを狙った。
11分、仙台は右サイド遠目で相良竜之介が倒されFKを獲得。中島元彦がここから直接ゴールを狙ったが、この枠内シュートは岡山GKスベンド・ブローダーセンに弾かれて惜しくも入らなかった。
堅い試合展開だったが、仙台は20分に先制を許す。右サイドでの競り合いから末吉塁にボールを取られると、ここから上げられたクロス性のボールが枠をとらえ、ゴールイン。0-1とされた。
仙台は25分に自陣左サイドで上げられたクロスを一美和成にヘディングシュートされたが、これは枠外。厳しい時間が続く。30分に相良のしかけからCKを獲得したが、鎌田大夢のキックに対する菅田真啓の折り返しは相手に当たってコースが変わり、ブローダーセンにおさえられた。
33分、仙台は左サイドでFKを獲得。中島のキックは相手の壁に跳ね返された。39分に真瀬が、直後には工藤蒼生がそれぞれペナルティーエリア内にボールを送るが、なかなかシュートに持ちこめない。44分には自陣のゴール前遠目の位置で相手にFKを与えた。だが田部井涼のキックはゴール右に外れた。仙台は相手ゴール前まで行けてもシュートが打てず、0-1で前半を終えた。

仙台は後半から、エロンに代えてオナイウ情滋を投入した。47分、仙台は左から攻めこんで相良が角度のないところからシュート。これは相手DFに当たってコースが変わり、ブローダーセンにキャッチされた。47分にはオナイウが右に抜けてクロス。これに中島が合わせたが、シュートは浮いてしまった。52分にはこぼれ球を拾った工藤蒼がミドルシュート。これはブローダーセンの正面だった。
53分、仙台はオナイウがカウンターで抜け出してシュートに持ちこんだが、ブローダーセンに弾かれた。押していた展開だったが、岡山に61分、痛恨の追加点を許す。交代で入ったばかりのルカオに突破されると、そこに引きつけられて開いたスペースで本山遥にシュートを許した。カバーに入った選手にボールが当たって軌道が変わり、失点。0-2とされた。
あとがなくなった仙台は、65分に2選手を交代。鎌田と相良を松井蓮之と名願斗哉に代えた。しかしルカオを中心とした相手の攻撃に苦しむ。76分に小出悠太と工藤蒼を石尾陸登と中山仁斗に交代した。80分、仙台は右サイドのFKに菅田が合わせたが、これは枠を外れた。84分、オナイウが高い位置でカットし、ボールを受けた郷家が右サイドからシュートしたが、これは枠を外れた。
86分、オナイウのCKにファーサイドの石尾が合わせたが、シュートは右に外れた。88分にはクロスに奥山政幸が走りこんだが、ブロックされた。90分には左サイドから名願が運んで連続攻撃。だがこれもゴールを破れない。90+4分にはオナイウのクロスから奥山のシュート。だがこれは枠外。押せども押せども相手のゴールを破ることはできず、タイムアップ。仙台は0-2で敗れた。

J1昇格まであと一勝というところで、仙台は敗れた。森山佳郎監督は先制されても慌てなかったことや途中からボールを動かせるようになった改善点も挙げつつ「一言で総括すると、J1に上がる力はまだまだ足りなかった」と無念を噛みしめた。今シーズンの夢は果たせなかったが、来季も指揮を執る森山監督は「しっかり地力をつけて、上がったときにはJ1に残っていけるようなチームをもう一回作っていきたい」と、今後に向けた意気込みを示した。

reported by 板垣晴朗

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