明治安田J2第38節 大分戦・第一報 郷家友太の今季5点目などで2−1の逃げ切り勝利。ホーム最終戦を飾り、自力でJ1昇格プレーオフへ進出
2024シーズンの明治安田J2も最終の第38節となった。J1昇格プレーオフ進出がかかるこの試合で、ベガルタ仙台は前節・熊本戦と同じ先発メンバー11人をピッチに送りこんだ。ゲームキャプテンは郷家友太。ユアテックスタジアム仙台はホーム側の全席種チケットが早々に完売し、たくさんのサポーターがチームを迎え入れた。選手の入場時には、バックスタンドにクラブ設立30周年にちなんだ”30th”のコレオグラフィーが掲げられた。
立ち上がりの仙台は、相手にボールを持たれる苦しい展開。7分には野村直輝に直接FKでゴールを狙われ、8分には右サイドにFKからのロングボールを送られて最後に保田堅心にシュートを許す。12分には、相手FKのこぼれ球をデルランにシュートされた。だがいずれもシュートは枠外で助かった。
仙台の最初のシュートは13分。エロンが粘り、ボールを受けた郷家友太がDF間に割って入ってシュート。しかしこれはGKムン・キョンゴンの正面だった。反撃ムードの中、16分、鎌田大夢の左からのサイドチェンジを真瀬拓海が頭で折り返すと、これが相手DFデルランに当たってオウンゴールに。仙台が先制、1-0とした。
先制点で落ち着いた仙台は、ショートカウンターからチャンスを狙う。28分に相手陣内左サイドで相良竜之介がFKを獲得すると、中島元彦が直接ゴールを狙う。これはムン・キョンゴンにキャッチされた。31分には逆に自陣でのスローインからの繋ぎをカットされピンチになったが、相手のシュートは左に外れた。39分には左サイド遠目から中島が思いきってシュート。これはムン・キョンゴンに止められた。前半終わり頃には大分にボールを持たれ苦労したが、45+2分の相手連続攻撃もしのいで1-0でハーフタイムへ向かうこととなった。
ハーフタイムでの仙台の選手交代はなし。仙台は49分に相手スローインからピンチを迎えたが、これは全員で相手のシュートコースに立ちはだかり食い止めた。50分、仙台は郷家が右サイドの高い位置でカットし、右に移っていた相良が運ぶ。ゴール前の混戦で相手に当たってこぼれたボールに郷家が足を伸ばしてコンタクトすると、このシュートがゴールに入った。欲しかった追加点。郷家の今季5点目で、仙台が2-0とした。
63分、仙台はカウンターで中島のスルーパスを受けたエロンがゴールに迫るが、これは枠外。直後にカウンターを浴びてピンチになったが、渡邉新太のシュートは枠を外れた。
78分に仙台は2選手を交代。相良と鎌田をオナイウ情滋と松井蓮之に代えた。83分にはCKを久しぶりに中島が蹴ったが、ファウルでシュートまでいけず。85分にはエロンが中山仁斗に交代した。87分、相手陣内右サイドで中島が倒されFKを取ると、中島は自らキッカーになってゴールを狙う。しかしこれはわずかに右へ外れた。
90+2分に仙台は中島と郷家に代えて、マテウス・モラエスと石尾陸登を投入。逃げ切り体制の5-4-1に切り替えた。しかし90+3分、仙台は自陣でFKを与え、薩川淳貴に直接決められてしまった。これでスコアは2-1に。しかし仙台は大声援を受けて相手陣内にボールを押しこんで相手の追撃を許さず。逃げ切って勝点3を獲得し、自力でJ1昇格プレーオフ出場権を獲得した。
仙台は2-1で今季ホーム最終戦を勝利し、その先の戦いの権利を勝ち取った。試合後には、遠藤康キャプテンの引退セレモニーとホーム最終戦セレモニーが開催された。遠藤はサッカー人生を支えてくれた全ての方へ感謝の言葉を述べ、「ホーム最終戦で素晴らしい試合を見せてくれて、僕の現役生活もちょっと伸びました」とこれからのプレーオフに向けた意欲を示した。森山佳郎監督は「一番下、6位ですけれども、ここからまくって、上位陣に噛みついて、引きずり下ろして、J1に上がろうと思っています」とサポーターへ決意のほどを言葉にした。中断期間を経て、仙台はまず最初の相手である長崎とのアウェイゲームに向け、準備を進める。
reported by 板垣晴朗