仙蹴塵記

明治安田J2第35節 横浜FC戦・第一報 堅守の横浜FCに3-0の大勝。相良竜之介、エロンに続き、工藤蒼生のプロ初ゴールで試合を決める

中断期間が明け、明治安田J2第35節で首位・横浜FCに挑んだベガルタ仙台。前節・秋田戦から先発メンバー2選手を入れ替えた。松井蓮之が出場停止のボランチには工藤蒼生が入り、第7節の対戦では横浜FC相手に1ゴール1アシストの相良竜之介も先発した。ゲームキャプテンは郷家友太。
試合前には、サポーター席に新しいビッグフラッグが広げられた。

仙台は相手陣内でのカットからショートカウンターをしかけてチャンスをうかがう。6分、郷家友太が右サイドの深い位置で一度ボールを取られるも、プレスバックで奪い返す。郷家のクロスは相手DFに触られて軌道が変わったが、そこへ走りこんだのが相良。思い切り振り抜いたシュートがゴールに突き刺さった。相良の今季9点目で、仙台が先制。1-0とした。

仙台は追いかけてくる横浜FCにCKを取られピンチになったが、ここは全員で跳ね返して守る。20分には左サイド高めで工藤がカットし、繋いだ先の鎌田大夢がシュート。これは惜しくも左へ外れた。25分には右サイドからのFKが左に流れたところをまたも相良がシュート。これは枠を外れた。26分にもショートカウンターからエロンがシュート。これは右に逸れた。

28分、仙台は左サイドの裏を突かれピンチに。しかしペナルティーエリア内へのパスを食い止め、難を逃れる。相手の攻勢をしのぎながら好機を狙った仙台は、32分に中島元彦が相手ゴール正面でFKを獲得。鎌田が左に振ったボールを菅田真啓が落とし、逆サイドで郷家が拾ってクロス。これをエロンが合わせて2-0にリードを広げた。エロンは今季2点目、嬉しいホーム初ゴール。

仙台は相手の左右に蹴り分けるサイド攻撃に苦戦するも、工藤らの体を張ったシュートブロックなどで奮闘。45+2分には相良のカットからのショートカウンターで中島がシュートしたが、これは相手GK市川暉記の好セーブに阻まれた。仙台は2-0で前半を終えた。

ハーフタイムでの仙台の選手交代はなし。後半立ち上がりに仙台は相手の得意なセットプレーを連続で与えてピンチになったが、林彰洋を中心に阻止。54分には右サイドからクロスを上げられ、シュートに持ちこまれたが、これは枠外だった。

56分、仙台は相良からオナイウ情滋に交代した。62分、仙台はカウンターから決定機。オナイウのカットから繋ぎ、最後は工藤が左の角度のないところからシュート。これは惜しくも入らなかった。64分にはカウンターから中島のクロスを郷家がボレーシュート。だが打ち上げてしまった。

65分付近に仙台は横浜FCの連続攻撃を浴びたが、これは何とか体を張ってブロック。ジョアン パウロのシュートも林が止めた。守勢が続く71分、仙台は石尾陸登とエロンから奥山政幸と梅木翼に交代した。

76分、オナイウのクロスを梅木が右サイドからシュート。これは市川に止められた。81分にはオナイウと梅木の連続シュート。これも市川にブロックされた。しかし86分、再びカウンターから右サイドを攻略し、オナイウ、真瀬と繋ぐ。折り返しのボールに対して走りこんだ工藤がこれを蹴りこみ、仙台が3-0とした。工藤はこれがプロ初ゴール。

工藤がこのプレーで両足を攣ってしまったことで、仙台ベンチは得点直後の88分に工藤から松下佳貴に交代。同時に、中島からマテウス モラエスに代えた。5-4-1にして逃げ切り体制にした仙台は、相手のクロス攻撃を跳ね返し、3-0でタイムアップ。貴重な勝点3を得た。

森山佳郎監督は首位を相手に堂々たる内容で勝利できたことについて、「いい準備ができていて、爆発力は持っていました。中断のときにいわきFCさんとの練習試合も内容がかなり良かったので、そこに引き続いて今日もできました」と、前節に負けた後にこの二週間で奮起して準備してきた成果であることを述べた。今シーズン初めて、仙台は3点差をつけて勝利することができた。

reported by 板垣晴朗

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ