明治安田Ｊ２第30節 群馬戦・第一報 先発入れ替えの効果は乏しく、低調なスコアレスドロー
ベガルタ仙台は明治安田Ｊ２第30節・群馬戦で、前節・いわき戦から先発メンバーを4人入れ替えた。内田裕斗、オナイウ情滋、相良竜之介、菅原龍之助が先発入りした。ゲームキャプテンは郷家友太が務めた。フィールドプレーヤーのウォーミングアップ前と選手入場時には、多くのサポーターが大けがからの復帰を目指す髙田椋汰の背番号“2”が書かれたゲートフラッグを掲げた。
立ち上がりから攻めに出た仙台は、2分に最初のシュート。右サイドからのパスを受けた菅原がゴール近くでボールをおさめ、反転してシュート。これは枠を外れた。7分には自陣左サイドの競り合いでボールを失って仙波大志にシュートを許したが、これは林彰洋が正面でおさえた。13分には中盤でのカットから仙台がショートカウンターをしかけ、連続でシュートを狙ったが相手DFにブロックされた。
30分、右サイドでのオナイウのロングスローから決定機を狙った仙台は、最後に相良が左サイドからシュートを狙う。しかしこれも相手にブロックされ、CKへ。このセットプレーのチャンスでも仙台は群馬の壁に跳ね返された。
仙台はボールを持ってもなかなか相手陣内でスピードアップできず、シュートも少ない展開が続く。チームが目指す攻撃の迫力に乏しいまま、0-0で前半を終えた。
仙台はハーフタイムにてこ入れ。オナイウから中島元彦に交代した。その効果もあり、仙台は後半立ち上がりから相手陣内でのプレーを続ける。49分には左サイド深くでボールを持った中島がゴール前にボールを送るが、これは櫛引政敏にキャッチされた。しかし軽率なミスからカウンターを受け、ピンチに。52分にはクロスのこぼれ球から相手にシュートを受けたが、これはDF陣が体を投げ出してブロック。なんとか防いだ。57分には、相手FKのこぼれ球から天笠泰輝にミドルシュートを打たれたが、これはわずかに上へ外れて助かった。
60分には林からのフィードの競り合いを制した中島がボールを運びクロス。だがこれはカットされた。61分、仙台はさらに選手交代で修正。相良と菅原に代えて、有田恵人とエロンを送りこんだ。67分、仙台は有田が左サイドの高い位置でカットしてエロンにつなぐ。しかしこの流れからのクロスは、櫛引のパンチングで防がれた。このときのプレーで有田が負傷し交代を余儀なくされ、70分、有田から松下佳貴に代わった。
79分、仙台は中島のサイドチェンジを受け、右から抜け出したエロンがシュート。だがこれは惜しくも上に外れた。83分には連続CKのチャンスを得るが、これも群馬の壁を破れなかった。
84分に仙台は鎌田から工藤蒼生に交代。バランスを再整備してまた前に出られるようになったが、肝心のシュートがなかなか増えない。90+３分、エロンのポストプレーから郷家が鋭いシュート。だがこれは櫛引のファインセーブで止められた。最終盤のCKからの猛攻も得点にまったく結びつかず、0-0で試合終了。不甲斐ない引き分けに終わってしまった。
チームに刺激を加え、後々に向けた育成も兼ねた先発の入れ替えだったが、チームの持ち味である迫力が失われるなどこの試合での効果には乏しかった。森山佳郎監督は試合後に選手たちへ「監督が勝負師ではなく育成の監督で申し訳ない」と謝ったという。指揮官は会見の場で、勝てなかったことを大いに反省するとともに「なんとか負けずに勝点1だけを拾ったことだけは評価できる」と無失点の守備については前向きにとらえた。失った勝点2のぶんは、今後にもっと勝利を増やすことで取り返さなければならない。
reported by 板垣晴朗