仙蹴塵記

明治安田生命J2第38節 いわき戦・第一報 一時逆転も、守備の乱れから追いつかれ2-2。今季のJ1昇格可能性が消滅

明治安田生命J2第38節・いわき戦で連勝を狙うベガルタ仙台は、前節・熊本戦から先発を1人入れ替え。負傷で離脱していた真瀬拓海が復帰即先発入りした。ゲームキャプテンは小出悠太。

立ち上がりは仙台左サイドでの攻防が続く。開始早々に仙台はこのサイドの突破を許したものの、クロスは真瀬がクリア。9分、相手カウンターを止めた仙台は、返す刀で山田寛人が相手最終ラインの背後を突く。パスを受けた中島元彦がシュートを狙ったが、これは相手DFに当たってコースが変わり、GK高木和徹にキャッチされた。

両チームとも足下でのボールが落ち着かない時間が続き、遅攻よりも速攻が目立つ展開に。その中で18分、仙台はクロスを岩渕弘人に合わせられ、林彰洋がブロックはしたもののボールの勢いは落ちず、ゴールラインを割られた。仙台は0-1と先制を許した。

仙台は26分にカウンターからピンチになったが、小出のブロックなどでしのぐ。33分、左サイド攻撃からPKを獲得した。35分、氣田亮真がこれを蹴りこんで2試合連続ゴール。1-1の同点とした。

38分、仙台は中島がミドルシュート。これは左ポストに当たってしまう。その跳ね返りに山田が反応したが、シュートは打ち上げてしまった。得点後は押し気味に試合を進めた仙台だったが、追加点には到らず1-1で前半を終えた。

ハーフタイムでの仙台の選手交代はなし。後半立ち上がりは両チームともラフなロングボールから相手の背後を狙うかたちでスタート。仙台は松崎快を中心に右サイドを狙うが、ラストパスが通らずシュートには到らない。しかし57分、この右からの攻撃が実を結ぶ。連係で右に流れた山田がクロスを送ると、鎌田大夢がダイビングヘッドでゴールに押しこむ。鎌田の今季2点目で、仙台が2-1と逆転に成功した。

66分、仙台は松崎に代わって郷家友太がピッチに入った。しかしその直後、68分に相手クロスをゴール前で守備陣がクリアしきれず。これを途中出場の永井颯太に蹴りこまれ、2-2の同点とされてしまった。

勝ち越し点が欲しい仙台は、80分に2選手を同時に交代。長澤和輝と山田を、エヴェルトンとホ・ヨンジュンに交代した。85分にホ・ヨンジュンのポストプレーから鎌田に繋ぎ、ラストパスに中島が合わせたがジャストミートせず、高木和にキャッチされた。

90+2分、仙台は2人を交代。中島と氣田を齋藤学と菅田真啓に交代した。相手CKからのピンチをしのいで逆襲に出るも、勝ち越すことはできず。2-2の引き分けに終わった。

一時は逆転しながら、守備が乱れて追いつかれる勿体ない結果となった。仙台は勝点1を得るにとどまり、残り4試合でプレーオフ圏である6位の長崎との勝点差が14に。全勝しても届かず、今季のJ1昇格可能性が消滅した。堀孝史監督は試合後に「非常にそれは悔しい。ただ、まだ(シーズンは)続きますので、一試合一試合、戦っていきたいと」と言葉を絞り出した。

reported by 板垣晴朗

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