年末のご挨拶
2022年も【仙蹴塵記】をご愛読いただき、誠にありがとうございました。2009年以来のJ2を戦ったベガルタ仙台を取材するにあたり、今季も様々な方々のご協力をいただきました。個人的には取材対象がJ2になったことでフットボール関連の仕事の減少、関連した収入の減少という苦難もありました。それでも今季の仙台が戦った2022シーズンの公式戦全44試合を取材できました。現場で、リモートで、それぞれ関わった方々に感謝いたします。
取材者の立場でいえば、J2は苦しいリーグ戦でした。以前にJ2で戦った相手がピッチ上でもピッチ外でも発展を遂げていて、取材はしやすくなった反面相手としては手強くなっていたこと。また、初対面のクラブなど、環境が整っていないために苦労したこと、先に挙げた収入や経費の問題など、苦労話が千夜一夜になりそうです。仙台が後半戦になかなか勝てなくなり、J1復帰を達成できなかったことも堪えました。
一方で、J2ならではの楽しみもたくさんありました。全国様々な場所にJクラブができて、以前に訪れた時よりも確実に根付いているところも多い。そうした広がりや、それぞれの場所でのおもてなしなど、勝利とは別の喜びも何度となく感じました。どの会場も、行って良かったと思っています。
また、取材環境が改善されたのも嬉しいことでした。対面取材が段階的に戻ってきたことで、選手やスタッフと直に顔を合わせ、言葉を交わしたり、時には戦ったりする。同じ空気をともにすることのありがたさを、あらためて実感いたしました。取材内容は昨季よりも充実したものになりましたから、あとはその成果物である各種原稿が、読者の方々にとって実りあるものになっていれば幸いです。
プロ生活15年目にして初めてJ2を戦った遠藤康選手は、自身も掲げたJ2優勝という結果に辿り着けなかったことをサポーターに謝りつつ「このJ2のなかに、楽しみな選手も、楽しみな場所もありました」と新しい環境で学ぶことも多かったと振り返ります。そして「でも仙台はもっと上に行ける可能性のあるチームとあらためて感じたシーズンでした。やっぱりJ1で、あのユアスタの雰囲気を味わいたい。タイトルを取って、ね」と付け加えました。その準備を、彼も含め全員が、公式戦全日程終了後も続けてきました。
「2023は、始まっている。」クラブが掲げたこの合言葉のもとでは、年末の挨拶も締めくくらない方がいいのかもしれません。明日からも、また2023シーズンの【仙蹴塵記】をよろしくお願いいたします。
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