どこを優先的に守り、どこを捨てるか【戦術分析】ゾーンディフェンス事情その1 #ジェフユナイテッド千葉 #jefunited #ジェフ千葉
●実はカテナチオではない
開幕のサッカーを見て、思わず「チバナチオ」「ジェフナチオ」と書いてしまいましたが、もちろんこれはイタリアの「カテナチオ」をもじったものです。大分トリニータの「カメナチオ」なんてのもそうでしたね。ただ、カテナチオはもうほとんど存在していません。
カテナチオの意味は「閂(かんぬき)」ですが、これはヴェルーというフランス語をそのままイタリア語にしたのだと思います。どういうことかというと、オーストリア人のカール ラパンという人がスイスでプレーしていたころ、DFの背後で左右に動いてカバーリングする動きが門の差し錠をする動きに似ていた。つまり、ラパン=閂=ヴェルー=カテナチオなので、カテナチオは本来「リベロ」がいる守備を指していたわけです。
なので、リベロが消滅した時点でカテナチオも消滅しています。ただ、リベロを使った堅い守備というイメージはリベロがいなくなってからも残り、単に堅守または自陣に深く引いて守備を固める戦術をカテナチオと呼ぶようになっていたわけです。
ユン ジョンファン監督率いる現在の千葉の守備はゾーンですから、厳密にはカテナチオではない。現代のゾーンディフェンスでカテナチオ風味なのはスウェーデン代表あたりだと思います。というわけで、今回はスウェーデンのサッカーって、どんな感じだっけという話です。
●日本にも波及した英国由来のゾーン
スウェーデンは今ではゾーンディフェンスの堅守国というイメージですが、1970年代まではリベロを置いたマンツーマンでした。ゾーンを導入したのは2人の英国人監督です。
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