攻撃によって生じる守備の不安定さ…#ジェフユナイテッド千葉 が得点できる理由【2018シーズン総括】その3
●変化したラスト4試合
2018年の千葉はいくつものフォーメーションでプレーしていました。「4-3-3」から始まって「3-4-3」、「3-5-2」、「4-4-2」、MF菱形の「4-4-2」(船山システム)、「4-2-3-1」、ほかにもありましたっけ。
ただ、やろうとしていることは、そんなに大きく変わっていません。ご存じのハイライン・ハイプレスの守備、自陣からのポゼッションとロングボールを組み合わせながら最後はサイド攻撃、という感じでしょうか。その意味で変化があったのは最後の4試合です。ハイプレスではなくリトリートした守備に変わっていました。
この4試合は2勝1分け1敗ですが、特筆すべきは4試合で2失点、ラスト3戦は無失点だったことでしょう。それまでの38試合で70失点ですから、試合平均1.84失点です。それが4試合にかぎっては0.5失点。この違いは相当大きいですよ。おそらく来季のベースになるのは、この最後の4試合になるのではないかと思います。
フアンエスナイデル監督は昨季終盤7連勝時の「4-4-2」を踏襲せずに今季に臨んでいますから、来季もあっさり反故(ほご)にされるかもしれませんが、常識的に考えればラスト4試合の形からスタートするはずです。
リトリート型の守備にも改善点があるのはマッチレポートで触れているのでご参照ください。今回は2018年の千葉がどうだったのか、来季はどうなりそうかというテーマで進めていきたいと思います。
●自陣ボール支配率は得点を生む
千葉のボール支配率は平均59.8パーセント、これはJ2で1位でした。得点は平均1.7点でこちらは2位。これならラスト4試合のように「平均0.5失点なら楽勝じゃないか」と思われるかもしれません。しかし、4戦の平均得点は1.25なんです。しかも2試合は無得点。守備が改善されたかわりに得点も減ってしまっている。サッカーの難しいところですね。
千葉のはっきりした特徴である「ボールポゼッションの高さ」について考えてみたいと思います。これが何を意味するのか、どう生かしていくべきか。
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