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昨季以上の得点を記録するも…変化するJ2で置き去りに #ジェフユナイテッド千葉【2018シーズン総括】その1

●来季のテーマは「主役」ではなく「失点減」
2018年シーズンのジェフユナイテッド千葉の最終成績は14位。16勝7分け19敗です。得点72失点72。得点は2位の大分トリニータに次ぐ2番目ですが、失点は降格した21位・ロアッソ熊本に次ぐ多さでした。

前田英之社長は最終節のあいさつで、来季こそ「主役になる」を掲げていましたが、昨季時点ですでにゲームの「主役」にはなれていました。ボールを握ってプレスしてチャンスを作ってと、いわゆる「自分たちのサッカー」は、すでにできていたわけです。昨季は7連勝でリーグを終えたので「自分たちのサッカーいいぞ!」という感じでしたが、今季はそうはいかなかった。試合の「主役」になれているのに勝てない。これが今季最大の問題点であり、よほど性根を据えないと来季もおそらく同じか、もっと悲惨な結果になると思います。

あまり悲観したくはないのですが、昨季すでに「主役」になれていて、今季の結果がこれですから、来季の目標がまた「主役になる」では何の進歩もないわけです。来季のテーマは主役になることではなく、失点を減らすことです。ただ、フアンエスナイデル監督が続けるのであれば、プレースタイルも継続になりますから、その中で失点を減らす方法を見いださなければいけません。単に失点を減らすだけなら、やりようもありますが、得点力を維持しながら失点を減らさなければならない。そこに難しさがあるわけです。

●ハイラインのそもそも論
シーズンオフなのであえて書きますが、そもそもハイライン向きのDFがいなかったのが致命的でした。近藤直也ではスピードが足りません。近藤は空中戦に強く、読みも良く、ビルドアップでも頼りになる、DFの中心になるべき選手です。唯一の弱点がスピード。そしてハイラインとスピード不足のDFの組み合わせは明らかにミスマッチでした。

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