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【戦術分析:千葉】トライアングル(松本山雅FC戦より)

●トライアングルの作り方
松本山雅FC戦は5-1の快勝でした。今回はこの試合からトライアングルの作り方について取り上げたいと思います。

2017明治安田生命J2リーグ第37節
ジェフユナイテッド市原・千葉 5〇1 松本山雅FC
http://jefunited.co.jp/top/matches/2017/1014/result/

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トライアングル(三角形)はパスワークの基本なのですが、J2ではあまりちゃんと作れているチームは少ないです。というのも、多くのチームが「3-4-2-1」を採用していて、1トップへロングボールを蹴ってセカンドボールを主に2シャドーが拾うという攻撃ルートがメインになっているからです。組み立てを飛ばしているので、トライアングルなんて作っているヒマないわけです。まあ、1トップ+2シャドーのトライアングルといえなくもないですが。

で、代表的なトライアングルの作り方は図の通りです。2つあります。左側はサイドバック(SB)とウイングを底辺にして内側にインサイドハーフがいるイメージです。右側は三角形の方向が逆向きになっていて、内側にウイングとインサイドハーフが底辺、SBがタッチライン際で頂点という形です。

一方、トライアングルであっても良くない例もあります。2人がゴールラインと平行に並んでしまう形です。前に2人でも後ろに2人でもあまり良くない。これだとラインが2本しかないからです。

最初に挙げた三角形だと、SB、インサイドハーフ、ウイングの3人が誰も横並びになっていません。つまりラインは3本あるということになります。なぜラインが多い方がいいかというと、ラインを飛ばすパスをすると中間にいる選手がフリーになれるからです。トライアングルの場合は最大でラインは3本にしかなりませんが、フィールド全体でなるべく多くのラインを作っておく方がいい。要は横並びにならないことですね。

サイドに関してトライアングルは2種類ということになります。そして、どちらかのトライアングルを固定化するのではなく、トライアングルの形を変え続けることが重要です。これがスムーズにできるとボールを失いません。

松本戦ではトライアングルの作り方がうまく行っていたかなと思いました。これまでもやっていたのですが、より手慣れてきた感じがありました。

●2つの成功例
松本戦で例を挙げます。26分、乾貴哉→ラリベイ→為田大貴とパスがつながって、為田がドリブルで仕掛けていく場面になります。

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