【戦術分析:千葉】クロスボールについて
●J2トップのクロスボール数
明治安田生命J2リーグ第32節・ザスパクサツ群馬戦における千葉のクロスボール数は32本でした。CKが15本あるのでそれも合わせると47本、クロスボールを使わなかったCKもあったかもしれませんが、40本は超えているでしょう。
これまでの平均は22.3本でリーグ1位です(リーグ平均14.5)。CKも1位の7.3本(リーグ平均4.6)。ちなみに、ほかのリーグ1位は間接FKと退場です。
群馬戦のマッチレポートでも書いた通り、千葉の攻撃はクロスボールで終わることが多い。ただ、それが得点にどれだけ結び付いているかというと効率はイマイチです。群馬戦はちょっと極端に悪かったと思いますが、クロスボールの数が多いわりには得点に結び付いてない。
【レビュー】J2第32節 群馬2●0千葉「ルイスオヘーダのアルヘン式ポジショニング」
https://www1.targma.jp/nishibemag/2017/09/11/post5316/
攻撃に関してのスタッツは軒並み高く、これで現在の順位にいるのが不思議なぐらい。得点3位、シュート数2位、枠内シュート3位、ボール支配率2位……。ただし、被シュートは1位。被攻撃回数が14位であるにもかかわらず。
サッカーのスタッツというには読み解くのに少しコツが要るのですが、千葉の数字は現状をそのまま表しているように思います。攻め込まれていないのに被弾が多いのはハイラインだからでしょう。そして攻め込んでいて得点も多いのに勝点が少ないのは、得点と失点のバランスが悪いから。つまりハイリスクではあるがハイリターンまでには至っていない。その大きな原因がクロスボールからの得点効率です。
●クロスボールの有効性と疑問
得点の多くはペナルティエリア内のシュートからです。さらにゴールエリアの幅からになっています。だいたいオープンプレーの4分3ぐらいのゴールはこのエリアからのシュートのようです。
※Football Tactics Webにて左上の番号を入力すると、戦術ボードを共有できます。
なので、このエリアからシュートを打つことは攻撃の目標と言ってもいいわけで、それにはおよそ3つのアプローチがあります。
1.ドリブル
2.スルーパス
3.クロスボール
ただ、ドリブルでこのエリアへ入っていくには相当なタレントが必要です。代表的なのがリオネル メッシですが、そんな選手はあまりいません。となると、スルーパスでの抜け出しかクロスボールの2択が現実的なアプローチになります。
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