フアン エスナイデル監督就任会見(取材・構成:西部謙司)
#jefunited #ジェフ千葉 #JLEAGUE #Jリーグ
●前へ出るサッカー
11月28日(月)にフアン エスナイデル新監督の就任会見に行ってきました。コメントなどは各方面で出ると思いますので、簡単に感想を書いておきたいと思います。
エスナイデル監督はアルゼンチン出身の43歳。フェルカリル オエステからレアル マドリードB、レアル マドリード、サラゴサ、アトレティコ マドリード、エスパニョールと主にスペインのクラブでプレーしたFWです。ほかにもユベントス、FCポルト、リーベルプレート、ニューウェルスと有名クラブに在籍していました。アルゼンチン代表歴もあります。
選手としてはかなり有名なのですが、監督歴は正直そんなに華々しくありません。ヘタフェ、サラゴサ、コルドバの監督、コーチを務め、今年はヘタフェ(2部)を解任されております。ただUEFAライセンス保持者ですからセオリーは、ちゃんとしているでしょう。高橋悠太GMも「セオリーを入れたかった」と招聘(しょうへい)の狙いを話していました。
会見を聞く限りでは「積極的に前へ出る」サッカーをしたいようです。実際にはやってみないと分かりませんが、イメージしているのはリーガ エスパニョーラでセビージャやレアル ソシエダがやっているようなプレースタイルでしょうか。敵陣からプッシングでハメ込んでいく守備、逆に相手がそれを仕掛けてきた時にパスワークで外すポゼッション、その2つを両輪にしたスタイルですね。
スペインは割とこのスタイルが多い。というのも、リーガにはレアル マドリード、バルセロナという巨大クラブがあるからです。圧倒的な戦力があってボールポゼッションも圧倒的というチームです。そういう強大なチームと対戦する時「がっつり引いてカウンター」というのが、まずあるわけですが、それだけだと、どうにもならないんですわ。で、むしろ前からプレスした方が可能性があるということが、ここ数年で定説化しています。
問題は、ハイプレスだけだと大体20分間しか保たないこと。もともとハイプレスはバルセロナが得意とした戦法ですが、なぜバルサがそれで大丈夫かというとポゼッションが70パーセントぐらいあるからです。60分間は攻撃していますから、残り時間の守備をハイプレス中心でやっても息切れしない。ですから、ハイプレスだけでは難しくてポゼッションとセットで考えるべきなんですね。セビージャ、ソシエダ、セルタ ビーゴあたりがバルサと対戦すると、ポゼッションが50パーセントぐらいになるのですが、それだとやっぱり60分以後はハイプレスが効かなくなります。
なので、ハイプレスでやるにしても20分まで、60分まで、80分までの3段階ぐらいあります。20分間しかできないのであれば、ハイプレスできない時にどう守るかの方が重要になりますから、新監督がどこから手を付けていくかは興味があります。
※初出時、チーム名に誤りがあったため修正しました。
●「どちらかというとリアリスト」
「ロマンチストかリアリストか?」という質問に対して「私はどちらかといえばリアリスト」と答えていました。
ハイプレスのサッカーといえば、イビチャ オシム監督がジェフに導入したスタイルがまず思い浮かびます。J2の1年目に江尻篤彦監督が指向したのもこれでした。ただ、どちらかというとロマンチストのサッカーなんですよ。
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