「柏フットボールジャーナル」鈴木潤

ネルシーニョ監督「相手のビルドアップを牽制できたことが今日の勝利の要因」/J1 第22節 柏 vs 札幌【試合終了後コメント】

○ネルシーニョ監督

「今日のゲームは非常に激しい試合になるだろうと予想として臨んだ一戦だったんですが、予想通り、非常にタフなゲームになり、相手の札幌は個人戦術、技術的な部分、経験豊富な選手も揃っているチームなので、そういうチームに対してまず我々はゲームの入りからアラートに入る必要があると選手たちには何度も声をかけてゲームに入りました。今日の試合までに8日間で3試合をこなしてきているので、うち2試合はアウェイゲームが連戦で続き、移動も含めて非常にタイトにスケジュールをこなしてきたわけですが、そこもチームとしてなんとか乗り切れて、今日まで良い準備ができたと思っていました。

前半からゲームの内容を振り返ると、相手陣地に押し込んだプラン通りの非常に良いボールの動かし方、ゲームの流れというものが序盤から作れていたと思います。しかし後半に入ってから、相手にボールを握られる時間が増えたことで、我々としては相手を引き込んでからのカウンターという時間が増えたんですが、守備のところでいうと、相手のビルドアップ、後半は特に相手は最終ラインでボールを動かしながら前線の動きに合わせてロングボールを入れることを狙いに持っていたと思うので、そこを前線の選手がうまく牽制して、相手の攻撃をニュートラルにすることができ、そこから良い形のショートカウンター、カウンターを作れていたと思います。なんといっても今日の結果はこれから終盤戦に向けて戦っていく上で非常に大事な結果だったと思います」

 

−1点目はあのスペースが空くというところを狙っていたのでしょうか?

「この試合に限らず、当然のことながら相手のことは何度も何度も検証するんですけど、今日のところでいうと、相手がうちのビルトアップに対して前から人を捕まえにくる形でどんどん守備をハメにくる、相手が前がかりになったときはどうしても相手の最終ラインが数的同数になるということは何度も映像を選手たちに見せながら、相手の特徴、傾向、対策を何度も何度も選手たちに見せて伝えてきた中で、相手の矢印が前に向いた時に、うちの両WBと前線のトップの選手が球を引き出せるように、相手が空けるスペースを常に狙っていこうとは選手たちにはずっと伝えていましたし、それがまさに起きた得点だったと思います」

 

−天皇杯の神戸戦は一瞬の隙を突かれて失点しましたが、今日は選手が最後まで粘り強く守ることができていました。中2日という短い準備期間の中で、選手にはどういう意識づけを行ったのでしょうか?

「さっきも言ったんですけど、映像を見せて選手たちにフィードバックしたことが今日の結果につながったと思っています。神戸戦の2失点目については、うちの守備陣の集中が一瞬切れてしまった。GKからの一発に対して初動が遅れ、最終ラインの反応よりも相手がとったアクションに対して、うちの最終ラインがうまく対応ができなかった。今日の相手の札幌もロングボールを入れてくる、守備陣からどんどんボールを蹴ってくるということは事前のスカウティングからもよくわかっていましたし、そこを我々は警戒していましたので、まずはボールが入ってからの対応をどうするかというよりは、相手にボールを入れさせないことをテーマに今回のゲームは選手たちにその対応を伝えて、時間は短かったですけど、そこを落とし込みました。前半はうちの右サイド、青木選手、菅選手、高嶺選手のローテーションが相手の特徴的な部分でもあるので、うちの右サイドは結構やられて形を作られ、崩されるシーンが前半は何回かあったと思うんですけど、そこはハーフタイムに入ってしっかり修正して、前線の2トップから相手のボールの動かしには牽制、プレッシングに出ていこうと、相手がボランチを落として4枚になったときは2CBに対してしっかりフリーでボール蹴らせないことは2トップに伝えました。そこをピッチの中で選手たちが理解して相手のビルドアップを牽制することをよくやってくれました。相手の狙いとして最終ラインでボールを動かしながら、前線の選手の動きに合わせてロングボールを狙っていたと思うので、そこをうまく牽制できたことが今日の勝利の要因だと思います」

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