「柏フットボールジャーナル」鈴木潤

ネルシーニョ監督「直近の2試合と比べて、戦術的な完成度が低い戦いになってしまった」/J1第31節 柏 vs 名古屋【試合終了後コメント】-無料記事-

○ネルシーニョ監督

「直近の2試合とはまったく違う展開のゲームになってしまいました。相手の名古屋もレイソルも、両者勝ちを求めて非常に拮抗したゲームだったと思うんですけど、ただ今日のゲームについては序盤から我々もなかなかペースを握ることができず、守備の部分においても距離感、ポジショニングも悪かったですし、守備が落ち着かない分、そこから効率よくボールを奪ってスピーディーに前線に攻撃に出ていく、もしくはしっかりとボールを握ってポゼッションをするということができていなかったと思います。試合が終わった後にも選手たちに伝えたんですが、正しく走らない分、体力の浪費も相当あったと思いますし、正しく走れない、組織的に戦えないときというのは、やはり効率の良い守備、生産性の高い攻撃というものはなかなか生まれません。今日はそういう我々にとって非常に厳しいゲームだったと思います」

 

−1点取られましたが、相手にクリアなチャンスは作らせていませんでした。ただ、あの1点はもったいなかったですが、監督としてはサッカーだからああいうこうとが起きても仕方がないと思っているのか、後悔の気持ちがあるのか、どちらでしょうか?

「後悔があったかという問題ではなく、あの失点は単純なコミュニケーション不足です。あの場面では北爪健吾とスンギュのところで、しっかりコミュニケーションが取れていれば防げた失点だったと思います。いたってシンプルな話だと思います。どちらかがボールに近い選手があの状況であれば、ボールにアプローチしなければいけなかったわけであって、GKとSBのミスコミュニケーションが原因で許してしまった失点でした。今日のゲーム、果たして名古屋が優勢なゲームだったかといったらそういうわけでもないです。シュートの本数を見ても、明らかなチャンスというものは作られてないわけです。ただ相手も狙いとしてうちがボールを握って前がかりになったところでボールを引っ掛けてカウンターに出ていくというプランを持って今日のゲームに臨んだと思うので、チャンスこそ作らせはしませんでしたけど、こういった形で負けてしまったことに関しては非常に残念だったと思います」

 

−試合前、ネルシーニョ監督も勝点6の価値がある試合と位置付け、選手たちもその重要性を理解して臨んだと思いますが、それがこういう結果になってしまった原因をどのように考えていますか?

「今日のパフォーマンスについては、チームとしての戦術的な取り組みが直近の2試合と比べて完成度としては低い戦いになってしまったと思います。相手が空けたスペースを正しく攻撃で突いていく、もしくは相手が狙いとしているスペースを我々が消す。攻守において一人ひとりが戦術的な役割を全うしないとこういう結果を招いてしまう。先ほど選手たちにも話しましたが、今日のゲームだけを見ると選手一人ひとりがやれることをやれば勝てると、ここ直近の2試合で思ってしまっていた部分もあるんじゃないかと思います。やれることをやっていても勝てないんだと、やらないといけないことをしっかりやらなければ勝てないんだぞという話を選手たちにして、今日のゲームでいうと選手の距離感、トライアングルを作る動き、背後への飛び出し、そういうアクションの回数が少なかった。そういうゲームですと我々にとってのチャンスを作りにくく、こういうゲームになってしまうのは仕方ないと思います」

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