【無料記事】【KFJルポ】 あの日、あの時のように -577文字- (2015/11/25)
長く柏を取材してきて、近藤直也について最も印象深いことは何かと考えてみた。
J1優勝やベストイレブン受賞も印象深い出来事の1つであることに違いはないが、それ以上に私が個人的に嬉しかったのは2012年2月17日のことである。
その時、柏はグアムキャンプ中で、当然私もその取材の真っ只中だった。
練習中に、大重広報が近藤が田中順也とともに日本代表に選出されたことを教えてくれた。怪我に苦しんだだけでなく、怪我が癒えても出場機会を得られない時期が長かったため、ポテンシャルと実力のわりには正当な評価がされていなかった近藤。その彼が、ようやくA代表に選ばれて日の丸を付ける。それは取材している者としても大きな喜びだった。
ここに載せた2枚は、代表へ行くため一足先にキャンプを切り上げる近藤に、その2月17日にグアムで取材をした時の写真である。上記はグラウンドでランニング中、下記はホテルのロビーで代表選出の話を聞いている最中のものだ。
柏から離れるのは残念だが、近藤はきっと次のクラブでも活躍し、サポーターから愛されることだろう。
Jリーグ3大タイトルと2011年Jリーグベストイレブン、日本代表キャップの肩書に、今年はそこに2015年度の天皇杯優勝を手土産にさせて、次のクラブへ送り出したい。
あの時、代表に行く近藤を「頑張れよ!」と言って見送った時のように。
(文 鈴木潤)