「柏フットボールジャーナル」鈴木潤

【無料記事】【KFJルポ】 ファン感の裏側で… -1253文字- (2015/11/02)

大盛況だった10月31日のファン感謝デー。しかしその裏側には、3人の男たちによる知られざる努力があった。ここでは、その真実を明かしていく。

まず、ことの発端はJ3のJリーグU-22選抜に中谷進之介、大島康樹、中山雄太の3選手が選抜されたことから始まる。ファン感でハロウィンの仮装とダンスを担当するはずだった3人が欠席になったことで、急遽代役として出番が回ってきたのが今井智基、武富孝介、茨田陽生の3人だった。

仮装の衣装はそのまま引き継ぐだけで良いが、困ったのはダンスだった。完璧にマスターしていた中谷、大島、中山に替わって、今井、武富、茨田もこのダンスをファン感までにマスターしなければならなかった。彼らに与えられた時間は、たったの1日しかない。

 

ケース1:今井智基の場合

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「徹夜で練習しましたよ。(小林)祐介に、『秋野に完璧に踊らせて動画を送って』と言って、秋野の動画を見ながら練習しました。でもそれじゃ不安だったので、YouTubeで見直して練習しました。本番前にリハーサルができなかったので、それだけが不安要素でしたけど、まぁ良かったです(笑)。仮装は、五郎丸選手をやろうと思って、(大津)祐樹君とラグビーのユニフォームを見に行ったんですけど、全部売り切れてなかったんです。みんなが踊っている中で、俺だけあれ(五郎丸選手のキック時のパフォーマンス)をやればウケると思って、メロウ丸をやろうと思っていたんですけどね(笑)。でも楽しかったです」

 

ケース2:武富孝介の場合

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「一夜漬けです。YouTubeをTVにつないで、ひたすらきゃりーぱみゅぱみゅの踊りと、踊りを解説してくれる動画もあったので、それを家族みんなで見て、必死に練習していました。奥さんにチェックをしてもらいながら、奥さんは踊りを見て『まぁまぁ。きゃりーぱみゅぱみゅみたいな滑らかさはないね』とは言われました(笑)。スポーツ選手の硬さみたいなのが出てしまったみたいなので、そこだけ悔いが残りますけど、しっかりできたかなと思います。当日はそこで恥ずかしがってもしょうがないので、やるなら大きくはっきりやろうと思いました。来年は若い奴らにしっかりやってもらって、でも俺の力が欲しかったら言ってくれれば来年も手伝おうと思っています」

 

ケース3:茨田陽生の場合

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「踊りは無難に踊れたかなと思います。練習は家族みんなでやりましたよ。子どもも一緒になって踊ってくれましたし、ファン感には家族も来ていたので、終わってから娘に『家で踊っているよりうまく踊れてたよ!』と言われました(笑)。練習している時から、娘には『こうやって踊るんだよ』と指導されてたので、それを踏まえて娘からしたら自分が教えてあげたと思っているから『本番は良かったよ』ということなんです(笑)。その言葉は嬉しかったです(笑)。自分としても娘から教えてもらっていただけに、しっかりと踊らなきゃいけなかったので良かったです」

急な抜擢にも関わらず、頑張ってくれた3人に盛大な拍手を!

(取材・文  鈴木潤)

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