「柏フットボールジャーナル」鈴木潤

【無料記事】【レポート】 2015 スタートミーティング (6483文字)(2015/01/18)

1月17日、柏の葉カンファレンスセンターにて、「2015 柏レイソルスタートミーティング」が開催された。例年使用していた、柏市民文化会館が工事という事情により、昨年までの1500人規模のスタートミーティングと比べて今年は350名と、定員がかなり限られてしまったが、それでも朝から場所取りのために待機列を作るサポーターもいて、このイベントへの注目度の大きさが伝わってくる。

こちらでは、監督・選手の登場した第2部の模様を一部ダイジェストでお伝えしていく。

 

冒頭はU-12時代の秋野央樹、U-15時代の太田徹郎、U-18時代の工藤壮人の映像が、トップチームでプレーする姿へと変わり、そこから昨季の戦いを思い起こさせるオープニングムービーからスタート。そして“TATSUMA YOSHIDA NEW MANAGER”という文字がスクリーンに浮かび上がると、壇上に吉田達磨監督が現れるという粋な演出で、第2部が開演した。

 

「こんばんは。明けましておめでとうございます。監督に就任しました吉田達磨です」

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その第一声から始まった吉田監督の挨拶は、とても彼らしく理路整然としながら言葉を紡いでいく。約10分に及ぶスピーチの中でも、特に印象深いものを抜粋した。

「15日に始動し、ミーティングをし、選手の顔を見て、想像通り、1カ月前の(監督就任の)会見で描いた姿であり、選手の顔、表情、僕に向けてくる視線も、とても良いものを感じました。トレーニングに関しては、『変わる』という意識付けと、選手たちが『変わるんだ』という心、体、あとは脳の準備をできたと思います。この3日間で、(トレーニングの)メニューについては、『ここまでやれればスムーズに行くな』と計画していたのもから、彼らを見ていたら少し欲張ってしまい、その先に進んだ状態でここに来ました」

「何かにビビって躊躇するのではなく、決断したらやる。選手にもそこを要求しました。サッカーにあっている、間違っているはない。『俺は要求を出すが、俺の要求に対して、あっている・間違っていると窺うような顔色で俺を見ないでほしい』と要求を出しました。決めたらやってほしい。決めて、間違えた道に行ったら、誰かがカバーすればいい。僕のサッカーはそういうサッカーです。決める、やる、誰かがカバーする、良いものであれば、誰かが波のように引き継いでより大きくしていく」

「来週からグアムキャンプが始まりますが、良いキャンプにするというのは当然のこと。シーズンの良いスタートが切れるように、戦っていきたいと思います。改めて、サッカーと、ボールを蹴る選手たちと、それをサポートする我々と、応援する皆さまと、そういうものが1つになって、プロのサッカーになると思います。そのためにも、不安も言いたいこともあるかもしれませんが、そういう時こそ応援してもらえればと思っています。必ず良い仕事をします」

(*『柏フットボールジャーナル』ではグアムキャンプ・指宿キャンプも徹底レポート予定です)

 

その後、新コーチングスタッフが登壇。布部陽功ヘッドコーチ、杉山弘一コーチ、松原直哉フィジカルコーチ、松本拓也GKコーチの挨拶へと続く。吉田監督も「若いスタッフ」と言っていたように、なんと平均年齢は38.6歳!

 

さらに今度は新ユニフォームと新ウェアのお披露目となり、GK用ユニフォームは桐畑和繁、ファーストユニフォームは工藤壮人、セカンドユニフォームは茨田陽生、トレーニングウェアは小林祐介がモデルとなって登壇した。

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選手たちが新ユニフォームの着心地、感想を語る。

桐畑

「黒を基調としてカッコイイですね。選手たちは(ユニフォームに)名前を付けたかったので、今日このユニフォームを手にした時、大喜びでした。このユニフォームを着て日立台のピッチに立ちたいと強く思いました」

 

工藤

「皆さん、隣の背番号が変わった人(茨田)に話を聞きたいと思うので手短にいきたいと思います(笑)。変わらず、全身黄色で身が引き締まります。個人的には名前が入ったのと、首元が切れていて、試合中に首元が気になったりしていたので、プレーしやすいなと思いました」

 

茨田

「背番号が8に変わって、袖を通した感じでは、8番も気に入っているので、これから頑張っていきたいと思います。去年のセカンドユニフォームはズボンとソックスが黒だったので、明るいイメージになったと思います」

 

小林

「去年は(トレーニングウェアの胸スポンサーロゴが)『白くまくん』だったんですけど、『ローソン』さんにはチケットやレイソルコラボのコンビニでお世話になっていますし、今もサポートしていただいて、すごく嬉しく思います」

 

モデル4選手が新シーズンへの意気込みを語った後は、第2部の後半へ。このスタートミーティングのメインイベントでもある新加入選手が登場する。山中亮輔、大津祐樹、武富孝介、中川寛斗、中山雄太、クリスティアーノ、大島康樹が続々と壇上へ上がった。

 

-山中選手おかえりなさい。1年間、柏を離れて経験を積んできましたが、どのようなことを学んできましたか?

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「1年間、レイソル以外のチームでやってみて、どれだけレイソルが恵まれているかが分かりました。1年間試合に出続ける難しさも感じて帰ってこられたので、その経験を糧にして、このチームで試合に出て活躍できればと思っています」

 

-左サイドは橋本選手が移籍し、山中選手にかかる期待もより大きくなると思います。

「そうですね。レギュラーでやっていた選手がいなくなって、サポーターの皆さんの不安もあると思いますが、自分が出ることで、その不安を払しょくできればいいと思っていますし、自分自身はそれができると思っています。期待してほしいですし、応援してほしいです」

 

-アカデミー出身の後輩が増えましたが、面倒を見る機会も増えるのでは?

「自分が今まで先輩方にやってもらったことを、自分も後輩にやっていかなければならない立場だと思いますし、いろいろ美味しいものをたべさせてもらってきたので、自分もそれを還元できればと思います(笑)」

 

-昇格した選手たちも、おねだりをしてごちそうになってください。

大津 「ごちそうさまです!」(場内爆笑)

 

-隣の大津選手、こちらもおかえりなさいでいいですか。柏での入団会見に臨むのは2度目になります。その間、7年になりました。

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「そうですね。結構今も緊張しています」

 

-4シーズン、海外でプレーしました。いろいろな刺激があったのではないですか?

「やっぱり日本では経験できないことを経験できたので、それをチームに還元できればいいと思います」

 

-プライベートでは帰国してから新たなパートナーがいて、同棲生活をしているそうですが?

「え~と………同棲生活を始めたんですけど………背番号4番の鈴木(大輔)君なんですけど」(場内爆笑)

 

-まだ同棲生活は続いているんですか?

「そうですね、僕がリビングを使って、ほとんどあいつはリビングを使えないんじゃないかというぐらい荷物があります(笑)」

 

-合鍵は持っていますか?

「合鍵は持っています。でもゲイじゃないので(笑)」

 

-新たに背番号10を背負うことになりました、心境は?

「レイソルで10番を背負わせていただくことで、自覚を持ってプレーできればいいと思います」

 

-サポーターを魅了するプレーを期待していいですか?

「もちろん、お願いします」

 

-武富選手、5年ぶりの復帰になりますね?

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「こんばんは、おつかれさまです。環境、スタジアム、自分がいた頃と筋トレルームとか大きく変わっているので、しっかりサッカーに打ち込めるように頑張りたいと思います」

 

-武富選手は昨年ご入籍されましたけど、昨日第一子が誕生されました!(場内大拍手)

「ありがとうございます。昨日会ってきたんですけど、号泣して、よりいっそう責任感を持って、しっかりサッカーと向き合っていかなければいけないと思いました」

 

-茨田先輩からパパの心構えを相談されたそうですが?

「ちょっと相談したんですけど、あの人も2人(子どもが)いるので、頼りにしていきたいと思います」

 

-より責任が増した中でプレーすることになりますが、どのようなことを期待していいですか。

「とにかくサッカーに向き合って、前にいた1、2年目に試合に出られずにチームに貢献した覚えがないので、まずは試合に出て、チームに貢献したいと思います」

 

-中川選手、もともとアカデミー出身でしたけど、プロとして柏レイソルでプレーするのは初めてになりますね。

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「そうですね。僕の場合はプロ1年目から湘南ベルマーレでお世話になったんですけど、そういう面でレイソルの環境をそんなに知らなくて、こんなに良い環境でサッカーに打ち込めることが嬉しく思い、また、今年自分の目標である勝利に貢献することをモットーに、今年1年頑張っていきたいと思います」

 

-ベルマーレでは2年間プレーして、哲学の違うサッカーでしたが、どのようなことを学びましたか?

「僕は育成で学んできたサッカーの概念と180度変わるサッカーでした。最初は戸惑いや迷いがありました。でも、向こうのチームは若くて、いろんな人に相談できて、自分の中で良い刺激になった良い2年間だったと思います」

 

-中川選手はお洒落にこだわりが?

「洋服はそうでもないです。強いて言えば家の中で、凝っているという感じです。樹や植物を育てていて、壁にも訳の分からない絵を貼ったりしています」

 

-もちろんプレーにもこだわりがあると思いますが、どのような点を注目してほしいですか?

「見てのとおり体が小さいので、こんなに小さくてもあんなプレーができるんだとか、技術で観客、サポーターを沸かせたいと思いますので、そういうところに注目していただければ幸いです」

 

-続いて中山選手。昇格おめでとうございます。

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「ありがとうございます」

 

-今までアカデミーで長い期間過ごしてきましたけど、トップチームにはどのような憧れがありますか?

「アカデミー出身なので、トップチームは憧れの存在でしたし、そこに自分が立てているのが、自分の力だけじゃなくて、いろんな人に支えられてここに来たので、感謝したいです」

 

-アカデミーではキャプテンを務めていましたけど、そのチームを代表してトップチームに上がったという気持ちも強いのではないですか?

「そうですね。同じチームだった選手から『4年後、待ってろ』という強い言葉を言われたので、自分がそこにまだいて活躍できているように頑張りたいです」

 

-昨年は1つ年上の中谷進之介選手がデビューして、終盤に活躍しました。刺激になりましたか?

「シン君(中谷)のプレーをその場で見ていたんですけど、終わった後も試合のシーンやシン君が活躍したシーンは鮮明に覚えていて、自分に刺激になった試合でした」

 

-先輩以上の活躍、期待しています。

「頑張ります」

 

-クリスティアーノ選手、こんばんは!

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「皆さん、こんばんは」

 

-新たに柏レイソルでプレーすることになった今の気持ちを聞かせてください。

「もちろん今は幸せな気持ちでいっぱいですし、何より強化の方、監督を含めて、自分を必要としてこのチームに呼んでくれたことを感謝したいと思います」

 

-日本でプレーすることになって3年目、日本のサッカーには慣れましたか?

「日本という国自体も好きですし、日本のサッカーには早い段階から慣れたと思いますし、できることなら長く日本にいたいと思います」

 

-柏の街の印象は?

「来日してまだ時間がなく、練習もあったので、まだ柏の街自体はよく分からないですが、奥さんも来日していますし、落ち着いたら街中を散歩して、街のことをもっと知っていきたいと思います」

 

-サポーターにはどのようなことを注目してほしいですか?

「グラウンドに立って自分のできること全てを出し切って、皆さんから信頼を得て、タイトル奪取に貢献したいと思います」

 

-豪快なゴールを期待しています。

「自分も早くゴールを決めたいので、待っていてください」

 

-大島選手、こういう場になるとすぐに顔が赤くなると言っていましたが、緊張していますか?

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「前の選手が喋っている間に少し確認したんですが、自分でも分かっています(笑)」

 

-改めて正式にトップチームの一員になったお気持ちは?

「本当に嬉しく思いますし、ここから活躍していかなければいけないんだなという自覚も持ちました」

 

-昨シーズンは一足早くデビューされてピッチに立っていますけど、日立台でのプロとしてのプレーはいかがでしたか?

「天皇杯で日立台のピッチに立たせてもらいましたけど、ホームのサポーターの前でプレーできる喜びを感じましたし、やっぱりホームだなと感じて、本当にプレーしやすいと感じました」

 

-昨年中にトップチームに合流して、慣れている部分はありますけど、特にブラジル人選手からかなり可愛がられていたみたいですね?

「そうですね。昨シーズンいたドゥドゥ選手や、今もいるレアンドロ選手に、よく可愛がってもらっています。シャンプーをずっとかけられていたり、靴を隠されたりしています(笑)」

 

-これからはそのレアンドロ選手も良きライバルになるわけですが、どうアピールしていきたいですか?

「レアンドロ選手のことを尊敬していて、盗むものはいっぱいありますし、勉強しながら自分の特徴を出して頑張っていきたいと思います」

 

●質疑応答

-監督が変わり、どういうサッカーをするか、サポーターの皆さんはまだ分かっていない部分があると思うので、この3日間で感じたことをお話いただけますか。(僭越ながら、この質問は鈴木潤がさせていただきました)

山中

「ユースでやっているような練習で、すごい懐かしいと思いながら練習をしましたし、たくさん頭を使うというか、常に集中してなければいけないというふうに自分に言い聞かせながら練習していますし、緊張感やピリピリとした良い練習ができている感じを、この3日間で受けました」

 

大津

「細かいところは、要所要所のプレーで、僕自身に足りないもの、戦術の部分やボールの受け方、そういう部分は達磨さんは細かく指導してくれるので、僕個人的には良いサッカーというか、面白いサッカーができるんじゃないかと、すごく期待しています」

 

武富

「ボールを触る練習が多くて、1つ1つこだわって、しっかりゲームに入れるようにトレーニングをしていると思いますし、自分もしっかり入って、成長できていると思います」

 

中川

「僕は中3の時にこのサッカーを初めてやって、高1、高2、高3と4年間やってきたんですけど、そのサッカーでプロに入ったと言っても過言ではないぐらい、このサッカーが僕としては重点的に置いているので、この2年を経て、プロ3年目の今年、このサッカーができる喜び、嬉しさが体の芯から出ています。期待して、楽しみです」

 

中山

「僕自身はユースからやっていたサッカーと違いはないんですけど、質や自分の足りない部分がまだまだあるんだと、この3日間気付かされて、もっと頑張っていかなければいけないと思いました」

 

クリスティアーノ

「監督のサッカーはボールを前に持っていくサッカーなので、そういうサッカーは自分にも合っていると思いますし、こういうサッカーを続けていけば、今年が終わる頃には皆さんと笑顔で終われると思います」

 

大島

「自分もユース上がりなので、練習メニューや内容は分かるんですけど、プロになってからは、個人としての能力が必要になってくるので、今後高めていかなくてはいけないと思いました」

 

この後、ちばテレビ『ライジングレイソル』のMC、“あや吉”こと西谷綾子さんからの恒例質問が飛び出す。こちらは番組との兼ね合いもあるため、そちらをご覧ください。

最後は新加入選手がユニフォームに着替え、吉田監督と一緒になってのフォトセッションでスタートミーティングは無事に終了した。

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