「柏フットボールジャーナル」鈴木潤

【無料記事】【ユース年代有力選手紹介】 大島康樹(柏レイソルU-18)

2014年5月、柏のトップチームに怪我人が続出したこともあり、U-18から5名の選手が2種登録選手として引き上げられた、そのうちの1人だ。第13節の新潟戦ではU-18のチームメイト、中山雄太とともに早速ベンチ入りを経験。そして、7月12日の天皇2回戦岡山ネクスト戦では、念願のトップチームデビューを飾り、さらにアディショナルタイムに初ゴールを決めた。

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天皇杯で初ゴールを決め、U-18プレミアリーグの試合が行われる青森でチームに合流すると、チームメイトからは「おめでとう!」と称賛されたが、アカデミーのスタッフからは「あまり調子に乗るなよ」と冗談を交えつつ、釘を刺されたようだ。初ゴールを決めたことで過信が起こり、それが彼の成長の妨げになるようなことは、絶対にあってはならない。大島康樹という選手の能力を知るからこそ、スタッフはあえて厳しい言葉を投げ掛けたのだろう。

大島はポジショニングがうまく、スペースに降りて味方からボールを引き出すプレーやリズムを与えるポストプレー、さらに一瞬の動き出しで相手DFの背後を突き、ワンタッチでゴールを陥れる能力に長ける。アカデミーの6年上の先輩、工藤壮人のプレーを彷彿とさせる。U-18プレミアリーグEASTでは、前半戦を終えた時点で目下得点王争いのトップタイだ。年代別代表や負傷による欠場があった中でのこの数字は見事と言うしかない。

 

現在は、柏の2種登録選手として、U-18とトップチームとを行き来しているが、トップの練習に参加して感じていることは「フィジカルの差」だと話している。

「フィジカルの部分は足りないので、今のままだったらプロでは通用しない。フィジカルを伸ばすことも大事ですけど、ボールの受け方にこだわって、自分のストロングをもっと伸ばすことを考えています。トップではDFにくっ付かれたら潰される。まずはくっ付かれないようにすることを考えて、もしくっ付かれてもキープできるようになろうと思います」

 

U-18プレミアリーグでは、前半戦を首位で折り返したとはいえ、7年ぶりに日本クラブユース選手権の出場権を逃す屈辱を味わった。それだけに、「プレミアでは1つ1つ勝って、最後に(プレミアリーグWESTとの)チャンピオンシップに出て優勝したい。それからJユースカップ、その2つのタイトルを獲りに行きます」と、残ったタイトルへの意欲が増した。

蛇足だが、5月30日という生年月日はチームマスコットのレイ君と同じ(また、茨田陽生とも同じ)。柏レイソルを背負って立つに相応しい。

 

U-18でのタイトルと得点王を獲得した後は、将来のエース候補に名乗りを挙げ、来シーズン以降はトップチームでゴールを量産する。

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