「柏フットボールジャーナル」鈴木潤

練習レポート:「堅い相手をどう崩すかが楽しみ」(工藤)、「このコンディションをキープしていく」(ハン・グギョン)

ワールドカップも終了し、いよいよ今週末から待ちに待ったJ1が再開する。強い日射しが照りつけ、30℃を超す猛暑の中、仙台戦に向けたトレーニングが行われた。

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4名ずつを5つのグループに分け、カラーコーンを使用したパス回しを入念に行った後は、ハーフコートで9対9、8対9、11対11と狭いスペース内での戦術トレーニング。再開後のJ1で良いスタートを切るため、先日の天皇杯で生じた課題を踏まえながらネルシーニョ監督の指示にも熱が入った。

 

以下は練習後の工藤壮人とハン・グギョンのコメント。

工藤壮人

「新しいシステムはまだまだ詰めていかなければいけない部分が多いですけど、それもプラスに捉えて、それを自分たちのものにできれば、チームとしてまたレベルアップできると、みんなが捉えてできています。この間の試合は主導権を握れたところでどう崩すかという部分で物足りなさはありましたけど、ただ、初めて実戦で試して良いところも見えてきました。レイソルは今までいろいろなフォーメーションをやってきたので、バリエーションは出せると思います。仙台は天皇杯でプライドを傷つけられて、その挽回のつもりで日立台に来ると思っています。仙台とはいつも堅い試合になる。そういうところで勝ち切る力を見せるには、再開初戦に相応しい相手。この堅い相手を崩す、非常に楽しみです。再開はまた1からのスタート。前の選手はゴール、後ろの選手は無失点、みんな思うところはあると思うので、1つ1つクリアしていくためにも大事な試合になると思います」

 

ハン・グギョン

「(天皇杯は)20分しか試合をやっていないので、新しいシステムはこれから慣れていくところですが、アンカーに入るボランチ1人が中心になってバランスを取ることが大事になると思います。攻撃には良い選手がたくさんいるので、アンカーの位置でボールを奪った後、早く前へ入れられればチャンスになる。その分、アンカーには守備面での安定感が求められると思いますし、そこがこのシステムの大事なところです。ワールドカップの疲労は残っていますが(笑)、やるしかないです。ワールドカップで試合をしていたのでコンディションは問題ないです。この状態をキープしていくつもりです。がんばります」

 

☆Today’s Pick Up Player 31 GK 中村航輔

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約2年間にも及ぶ長い怪我から復帰した後は、JリーグU-22選抜や、U-21日本代表にも選出され、中村航輔が本来”いるべき場所”に戻ってきた。ただ、柏U-18時代やU-17日本代表時代を知る者から言わせれば、中村はそもそも持っているモノが違う。彼は将来の日本代表のゴールマウスを守ってしかるべき実力を秘めたGK。セービングやコーチングのレベルの高さはもちろんのこと、バックパスの処理、味方へのパスなどでは、中村の大きな特徴であるビルドアップのうまさが生きる。

この2年間、怪我で苦しんだのは事実だが、その間はフィジカルトレーニングを十分に積み、身体は明らかに大きくなった。毎日、全体練習終了後にはプロテインを片手にトレーニングルームで積極的に筋トレに励んできた成果だ。その身体が、必ず試合で生きる時が来るだろう。

「『身体が大きくなった』とは、よく言われますね。筋肉を付けすぎて重くなりすぎてもいけないけど、そのバランスは問題ないと思います。ある程度筋肉がある方が跳べますし、パワーがないといけませんから」

当面の目標を問うと、「試合に出ること」ときっぱりと答える。菅野孝憲の牙城は想像以上に高いだろうが、ユース年代に精通した者たちが「モノが違う」と称賛する中村がレギュラーの座を射止めさえれば、向こう10年、柏のゴールマウスは安泰となる。

 

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