2024シーズン総括 #2 春先ですでに瓦解。取り戻せないまま折れた鶴の翼【いわてグルージャ盛岡】
前回更新した当シリーズの1回目で記した通り、フロントのふがいなさが今回の転落劇の根本となった。そして信念がなく、二転三転、いやぐるぐるゴロゴロ転がり放題だったクラブの指針。この現実はピッチ上の選手にとっても大きなディスアドバンテージとなって、パフォーマンスの低下を招いた。
シリーズ第2回目となる本稿ではチームが今季、どんな経緯をたどり、どんな事象が起きていたかを、選手たちの言葉も交えながら振り返っていく。
何も築けないまま、無為に過ごした4ヶ月
ご存じの通り、今季は昨年途中から指揮官に就任した中三川哲治監督のもと、チームが始動した。キャンプ前に取材した際にはやらなければならないことやシーズンへの期待感なども話していたが、実際のキャンプの中身はかなり薄いものだったようだ。「何も固まっていない」「約束事や具体的な指示、ルールがない」「キャンプでの手応えがない」。3月にチームが岩手に戻った後、何人もの選手に話を聞いたが、一様に不安や焦りを感じさせるような言葉が相次いだ。
3月中旬に初めてトレーニングを取材した。そのときは最終ラインからのビルドアップ、そしてアタッキングサードに侵入していく流れを中心に練習していた。深山知生コーチに「ご覧になってどうですか?」と練習後聞かれた際、正直に答えた。「基準が全く
(残り 2307文字/全文: 2862文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ