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シリーズ連載 “2023シーズンはこうなる” #2 キーワードは“カメレオン”? 予想される戦略と戦術【いわてグルージャ盛岡】

前回は新生グルージャのプレーモデル、中でも哲学やコンセプトの言語化を試みた。連載第2回の今回は、プレーモデルの構成要素でもある大枠の戦略、戦術がどのようなものになるのかを予想していく。

 

グルージャが目指す“自分たちのサッカー”とは?

戦略、つまり相手を考慮しない中で自分たちがどんなスタイルでプレーして勝利を手繰り寄せるのか。前回、いわゆる“自分たちのサッカー”は「能動的かつ攻撃的なボールを保持するサッカー」であるだろうと触れた。まずはこのテーマについて、言葉を分解しながら説明していきたい。

 

まず “能動的”とは何か。辞書で調べると「自分から他へ働きかけるさま」とあり、対義語は“受動的”とされている。つまり能動的なサッカーとは受け身ではなく、自らアクションを起こし、相手選手(チーム)には混乱を招き、味方には効果的な働きかけをするスタイルのこと。ピッチでの具体例としては、自分たちが先に立ち位置をとって味方を助けるとともに相手に選択を強いることや、数的優位を意図的につくって相手の陣形を崩す(スライドや撤退を強いる)ことなどが挙げられるし、コーチングなどの働きかけもそこに含まれるだろう。試合に勝つために、常に先手を取り続けることともいえるかもしれない。

ちなみに“主体的”も似たような意味を持つが、こちらの言葉は心理状態や意識の方向性といったニュアンスがより強く、相手や味方に働きかけるという意味を持つ言葉が的確であると感じたため“能動的”とした。

 

“攻撃的”は文字通り、「ゴールを奪いに行く」という意味だ。昨季はウノゼロ勝利がほとんどだったが、おそらく今季は勝点3をつかむために2点目、3点目をより積極的に狙うチームになるのではないかと予想している。もちろん、結果的に10になることももちろんあるだろうが、10になったあとの試合運びについては違うものがみられると考えている。

 

“ボールを保持するサッカー”も言葉の通り、ポゼッションを高め、自分たちでボールを動かし、相手を動かしながらギャップを突いて、攻撃のスイッチを入れるサッカーを指す。キャンプ前のトレーニングでもその下地となるようなメニューが組み込まれ、正しい判断やポジショニング、体の向き、そしてタイミングについて段階を経ながら浸透させようとする意図がみえた。

 

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