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流れの中からチャンス量産。岩手が示した進化の兆し【いわてグルージャ盛岡】【第3節A琉球戦レビュー】  

 

新加入選手2人のゴラッソで逆転勝利を収めた第3節琉球戦。両チームに決定機がある中で相手を上回り、勝点3を手中に収めた岩手だったが、この日はこれまでと違った顔もみせた。第2節町田戦からスタメン5人を入れ替えて臨んだこの試合。試合を振り返り、今後の試合でもポイントとなりそうなシーンをピックアップしながら、チームとしての進化の兆しについて考察する。

 

2本のミドルシュートで 鮮やかな逆転勝利

3バックを右から小野田、牟田、深川に変更。またボランチの小松に替えて弓削、シャドーに和田とモレラトという町田戦から5人を替えたメンバーでキックオフを迎えた。

立ち上がり4分、ピッチ中央付近へのGKからのロングフィードに対し琉球はうまく深川と入れ替わり、草野が右を突破。中央へのグラウンダーのクロスに最後は中野が難なく流し込んで早くも先制に成功する。その後もポゼッションしながら流動的に動いて主導権を握る琉球だったが、岩手は20分に弓削のミドルを皮切りに攻勢に転じる。27分にはブレンネルのななめのパスに宮市、36分には右クロスに中村太、43分には深川のヘッド、アディショナルタイムにも和田があと一歩というところでゴールを逃すなど、ゴールに迫った。

後半に入っても55分、小野田のクロスに宮市がヘッド。これはバー直撃も、73分に途中出場の小松、87分にもCK2次攻撃から深川がそれぞれ鮮烈なミドルを突き刺し、逆転勝利で貴重な勝点3を手にした。

 

 失点シーンは反省材料もデビュー戦で決勝ゴール。MOMは“持っている男”深川大輔

まずは失点シーンについて触れたい。これは深川の対応の甘さが出てしまった場面だ。浮き球に対し競りに行った際、清武に入れ替わられたのが一点。そして右で運んだ草野に対しては縦を中村太が消し、後ろから深川がプレスバックする数的優位だったにも関わらず、2人の間を簡単に通されてしまったのも痛恨だった。ルーキーで初出場となった試合の立ち上がりとはいえ、いちばん危険なコースを消すポジショニング、寄せの距離感などは課題として残った。

とはいえ、ネガティブなところはこのシーンくらいといっていいだろう。ヘディングで惜しいシュートを放ち、ビルドアップも安定。32分には右の宮市へ高精度のスキップパスを通すなど、持ち味をみせた。そして後述する試合を決定づけたミドルシュートでのゴールは失点のマイナスを補って余りある価値。MOMはこの男で決まりだろう。

 

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