「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

やることは変わらない/【プレビュー】J1第27節 鹿島対C大阪

切り替えなければいけない試合だが、岩政大樹監督は「切り替えよう」とは言わなかったそうだ。

「切り替えという言葉も、話もしていないんじゃないかな」

試合後にロッカールームで選手たちに言ったのは「成長しよう」という一言。それだけかけると解散、すぐにオフに入った。

自分たちが理想として掲げる相手を圧倒するサッカーは、まだ未完成だ。もしかしたら、監督としてはもう少し名古屋相手にできる手応えがあったのかもしれない。ただ、まだその力はなかった。いまできていることはある。その先にある相手を圧倒するというところまでは、まだたどり着けていない。しかし、もうその手前までは来ている。そのことを伝えて今週の練習に入った。

当初は、試合の振り返り映像さえ見せなくてもいいと思っていたという。しかし、思いを改めた。

「もう同じ作業を繰り返すだけだと思いました。今週の初日から、自分たちの課題、相手を圧倒して2点、3点取っていくという試合を作っていくためのトレーニングをしよう、と。勝負の世界ですので、必ず勝ち負けはついてまわる。それに惑わされることなく成長するということを今年取り組んできましたので、今週もそのままやりました。チームの雰囲気は、特に岳が帰ってきてからのこの数週間の雰囲気はすばらしいですし、選手たち一人ひとりが成長したい意欲を持ちながらトレーニングをしている。これを続けていこうということですね。タイトルを獲るいつかのその日まで、やり続けようということを伝えました」

近年、相手のサッカーに鹿島が対応しなければならない場面は多かった。しかし、新しい鹿島はそこからの脱却も目指している。自分たちのやり方に相手が合わせなければいけない状況をつくるには、それだけの強さがなければ絵に描いた餅になる。だからこそ、武器を研ぎ澄ませることにいまは地道に取り組む。

 

 

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