「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

多くの選手が初めて体験した限界突破/【レビュー】明治安田J1第15節 鹿島アントラーズ対サガン鳥栖

帰宅したのが遅かったのもあるが、試合で醸成された脳内麻薬と眠気防止のために飲んだカフェインのせいで朝4時まで寝ることができなかった。ばかすかゴールが決まる試合をネットスラングでは”馬鹿試合”と称するが、この試合に限っては、なにか落ち度があってこの展開になったわけではない。

3点差を付けられて諦めなかった鹿島も、3点差をひっくり返されて諦めなかった鳥栖も、どちらが示したのも見事なプロフェッショナルの姿。勝てなかったことは悔しい。しかし、近年はこうしたチームの限界を突破する試合を経験できずにきた。鳥栖の川井健太監督が「こういうものをシーズンで味わっておかないといけないかなというふうに捉えている」とコメントしていたが、それは鹿島にも言える。

タイトルに近づくためには、優勝の高みに到達するには、こういう試合を制することができるようにならなければならない。厳しい状況のなかでも、スタジアムと一体になり限界突破した経験は、今後必ず生きてくる。どうすれば勝てるようになるのかは、経験しないとわからない。数名の選手以外、ほとんどがタイトルの経験をないチームが、着実に前に進んでいることを示した。

 

 

(残り 3072文字/全文: 3604文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

会員の方は、ログインしてください。

« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ