「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

元担当からいずれも愛されてきたキム・ミンテ/【プレイヤーズファイル】

来週からチームは宮崎に移る。おそらく今週中に外国籍選手たちが合流してくるだろう。そのなかにはブラジル人選手だけでなく、お隣韓国から来たクォン・スンテやキム・ミンテも含まれているはずだ。

スンテについてはヨンハ通訳がいなくなってから一度も公の場で取材することがかなわなかった。ポジションを失ったこと、それを再び取り返したことなど、これまで聞くことができなかった出来事はたくさんある。ピッチ上でのコミュニケーションなど簡単なやり取りは、かなり話せるようになった日本語でこなすことができるのだろうが、自分の思いをメディアを通じて誤解なく伝えることは、さすがに難しいのだろう。ACLの戦いの中で母国メディアから痛烈な批判を受けた経験が慎重にさせているのかもしれない。

年長者としての振る舞いもすばらしいスンテにとって、チョン・スンヒョンが移籍してから3シーズンぶりに韓国人の後輩が加入した。キム・ミンテはかつて鹿島に在籍したパク・チュホと同じようにKリーグを経由せずJリーグに歩みを進めた韓国人選手の一人だが、さすがに全北現代を含めて3度のアジアチャンピオンに輝いたクォン・スンテの存在はよく知っているはずだ。昨季は、若いCBに優しく接するスンテの姿を目にすることが多かったが、本来は鬼の形相でゴールを守る選手だ。同胞には人一倍厳しく要求するため、本来のクォン・スンテが見られるかもしれない。

 

とはいえ、今季の行く末を占う上で、重要なのはスンテよりもミンテの方だろう。なにしろ最終ラインから町田浩樹と犬飼智也が抜けた。それ以上の補強もなく、ブエノと林尚輝の4人で守備を担う必要がある。なかでもミンテに係る期待は大きく、チームが安定した戦いができるかどうかは彼のパフォーマンスにかかっているところが大きい。

 

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