「チャレンジャー」の効力を失うことなく次戦へ/【レビュー】明治安田J1第16節 鹿島アントラーズ対セレッソ大阪
C大阪に怖さはなかったが、鹿島も怖さを出せなかった。
「試合内容からいくと、両チームとも決定機を数多く作ったわけではないので、引き分けで終わってもおかしくない試合だったと思います。鹿島さんが決めるべきところを決めて1対0にされたという点では、勝利に値するということにはなりますが、0対0で終わってもおかしくない内容だったと思います」
敵将レヴィー・クルピの試合総括は、決して、負け惜しみには聞こえなかった。客観的に見ても、C大阪の守備陣形を崩せた場面は数えるほどだった。
ここまで相馬直樹監督は「チャレンジャー」という言葉を用いてきた。そして、チャレンジする意欲や勇気をもたらすのは成功体験である。勝ってきたことが次なるチャレンジを支えてくれた。しかし、報われないチャレンジは徒労感を残す。徐々に意欲を削ぎ、前に出る一歩を遅らせ、終いには足を止めさせてしまうのだ。
その意味で、前半は鳥栖戦の敗戦を引きずった、チャレンジとは程遠い姿を見せた45分だった。それでも、選手たちの中から「もう一個ギアを上げないと勝てないよ」と声が上がり、後半に向かえたことは大きな一歩と言えるだろう。 ゴールを奪ったのは後半27分と時間がかかったが、ピトゥカの鋭いサイドチェンジから永戸勝也が攻め上がり、クロスに白崎凌兵が合わせた場面や、土居が左サイドの深い位置を抉って折り返す場面など、前半にはなかったチャンスをつくっている。
辛うじて勝点3を得られたことでもう一度戦える。さまざまな意味で次のステップとなる勝利となった。
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