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「GELマガ」鹿島アントラーズ番記者・田中滋WEBマガジン

DF2内田篤人「ねえねえ」/【プレイヤーズファイル】

「ねえねえ」

 練習と練習の合間とはいえ、あまりに気軽な声かけに戸惑ったことを覚えている。トレーニングの場は神聖な場所。選手たちしか足を踏み入れることしかできず、下部組織出身の選手たちは入るとき出るときにいまでも一礼をかかさない。そんな姿を見てきただけに、腰までの高さのフェンス一枚が世界を隔てる壁のように思っていた。

 しかし、「ねえねえ」は、それを軽々と越えてきた。

「次の先発、わかんないでしょ?」

 いたずら好きのクリクリとした目がこちらを見ていた。

 そのとおり、だ。ザーゴが試合で誰を使うのかは、練習を見ていてもさっぱりわからなかった。練習のなかで試される戦術練習を頼りに、それがなにを意味しているのか読み解くのが日課となっていたが、なかなか予想は当たらない。

”誰が出るのか教えてよ”

 そんなことを言ったような気がする。ほんの冗談のつもりだった。

「俺は出ないと思うけどね」

 一瞬、なんと言われたのかわからなかった。言っちゃった、と手に口を当てておどける姿が緑の芝生の上で浮かび上がっていた。

 

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