3連覇を目前に控えた1週間で選手たちが強調したこと/【コラム】追憶のアントラーズ(09シーズン⑩)
これまで書きためてきた取材ノート51冊をふり返りの第17回目。
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33節にガンバ大阪に5-1で勝利し、3連覇に王手をかけたことは選手たちに大きな自信を植え付けた。どんな試合でもあまり満足した表情を見せない小笠原満男でさえ「ボールへの寄せもあったし、いい入り方ができていた。全体的に見てもいい試合だった」と手応えを感じていた。野沢拓也は「1週間を大切にしていい準備をしたい」とすでに冷静だった。
その姿は、監督のオズワルド・オリヴェイラとは対照的だったと言えるだろう。ホーム最終戦ということでサポーターの前で挨拶に立ったオズワルドは、昨年に続き情熱的な演説で3連覇に向けてサポーターを巻き込んで士気を高めた。鈴木満強化部長は「選手がいちばん落ち着いている」と選手たちの様子を頼もしそうに眺めていた。
前人未踏の3連覇への王手ということもあり、マスコミの注目度もうなぎのぼり。いくらいい勝ち方をして最終節に臨むことができたとはいえ、試合までの1週間の準備を平常心で行うことは簡単ではなかったはずだ。
ただ試合をして勝つだけなら、実力どおりの力を出すことは難しくないだろう。しかし、入れ替わり立ち替わりたくさんのマスコミが押し寄せ、連日連夜、3連覇について問われるのである。それに対する耐性がなければ気持ちを持っていかれ、いつもと同じ準備はできないだろう。
準備ができなければ同じような試合はできない。3連覇を達成するためにも重要な1週間だった。
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