先発入れ替えとジーコの存在感/【プレビュー】明治安田生命J1リーグ第20節 清水エスパルス戦
その存在感は圧倒的だった。
テクニカルディレクターに就任したジーコは、黒いスタッフ用の練習着に身を包み、練習前の選手たちに熱く問いかけた。
「必ず一位にならないといけない」
「優勝したときの喜びは体が覚えている」.
「つねに優勝争いしないといけない」
「真剣に全力でピッチに立つこと。それは試合のときだけじゃない。いま、ここで始まっている」
「これだけの選手が揃っていてこの順位にいるのはおかしい」
その言葉自体は、来日するたびに鹿島に立ち寄り、選手に投げかけたものと大差はない。しかし、クラブの外にいたときと、クラブの中に戻ってきた今とでは、ジーコ自身も熱の入りようが違う。
勝つんだ、勝たなければいけないんだ、と何度も何度も繰り返せる力強さ。それは、本物の勝者にしかできない技だ。勝ってこなかった監督や選手が口にしても、なにも根拠がなく、説得力は皆無だ。しかし、ジーコが言えば無限の力が湧いてくる。クラブが立ち上がった黎明期の光景が目の前に浮かんでくるようだった。
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