まさかの悪天候とピッチコンディションに苦しむも、後半福島らしさを出して得た価値ある勝点1【J3第35節奈良戦レビュー】
(写真提供©Fukushima United FC)
2024明治安田J3リーグ第35節
奈良クラブ1-1(前半1-0/後半0-1)福島ユナイテッドFC
得点者
(奈良)
42分神垣陸
(福島)
70分塩浜遼
福島ユナイテッドFCは11月2日、明治安田J3リーグ第35節奈良クラブ戦に臨んだ。
試合開始前から大雨が降り、ピッチ上には多くの水たまりができる最悪のコンディションとなった。これまでパスやドリブルなど足下でボールを扱うことにこだわった福島としては、自分たちの良さを全く出せない環境下で試合をすることになってしまった。両チームともに思うようにボールを動かせず、浮き球やロングボールが飛び交う展開の中、福島はそれでも相手を押し込んで決定機をつくるが、8分のMF森晃太のシュートなど右ポストに当たるシュートもあって、惜しくも得点できない。
さらにアクシデントが続く。37分DF鈴直樹がスローインをした際に肩を脱臼したような状態となり、そのままDF森璃太へ交代となってしまう。
そして42分、奈良はフリーキックのクリアボールを拾ったDF吉村弦のロングボールを受けたFW松本ケンチザンガが右サイドからシュート。これはGK吉丸絢梓がクリアするが、このクリアボールを受けた福島県の尚志高出身MF神垣陸にシュートを決められてしまい、0-1と先制を許し、終了間際にMF大関友翔のループシュートが入ったかに見えたが相手DFにクリアされ、前半を終えた。
後半は少し雨がおさまり、水たまりも減っていったが、それでも福島らしいパス回しがなかなか見せられず、ピンチも招いたが、何とかしのいで迎えた70分だった。MF針谷岳晃の縦パスを受けた森晃太がすぐ右にいたFW矢島輝一にパス。矢島がゴール前にいたFW塩浜遼にパス。塩浜はゴール前で落ち着いて左足に切り替えシュートを放ち、これが決まって同点に追いつく。その後両チームとも決定機はあったが、シュートを決めきれず1-1の引き分けに終わり、現時点で7位に後退し、J2プレーオフ圏外で今節を終えることとなった。
最悪のコンディションで、福島らしいサッカーを見せられる環境ではなかったことが何より残念だった。昇格争い大詰めでこのコンディションにぶつかってしまったのは不運としか言いようがない。そんな中よく慎重にゲームを進めていたが、セットプレー崩れからロングボールを入れられて失点してしまう苦しい展開となった。
それでも福島の選手たちは、機を見て持ち味を出せそうな時は出そうとチャレンジしていた。そのチャレンジが70分の塩浜のゴールにつながった。後半は少しピッチ上の水が引いたこともあり、この場面はうまくボールをコントロールできた。このゴールは今季の積み上げの成果が出たと言って良いだろう。
この試合結果をもって、残り3試合でJ2自動昇格の可能性が消滅した。もちろん勝点3が取れれば良かったのは当然だが、この悪天候、ピッチコンディションで勝点1持って帰って来られたのは十分な結果と見るべきだろう。次節こそ良い天候の下、福島らしいサッカーを存分に見せて勝利したい。
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1.悪条件でも見せた積み上げ
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